2010年04月12日
4年目の春を迎えた・復旦の桜達
縁縁会のメンバー達は、大学の学者、弁護士、医者、建築家、ベンチャー企業の社長、日系企業に勤めるものなど、30代の若者が中心となっている。
4年前、日中両国の末永い友好を願って、復旦大学創立100周年を記念して創られた新しいキャンパスに100本の桜を植樹した。植樹に際し、福岡をはじめ多くの方々から寄付金が寄せられて、植樹が実現した。桜がちゃんと育っているか、メンバーたちはいつも我が子を気使うように、桜の生長を見守ってきた。
タイミングよく、先週の土曜日、私が上海に出張した折りに、縁縁会のメンバーの数名の仲間と一緒に、桜たちに会いに行った。4年目の春を迎えた桜たちは、まだまだか細いけれど、大地にしっかりと根ざしながら、力いっぱいに花を咲かせていた。温かな春風に吹かれ気持ちよさそうに揺れながら、私達を迎えてくれた。まるで「いつもありがとう」と言っているかのように。
2010年03月08日
福岡の若者・南京で奮闘中
煮詰まる日本、伸びゆくアジア。どうすればいいのか。麻生塾理事長の麻生泰さんがいつも口癖のように仰る。就職ができない。将来何をしたらよいのか分からない。外に出て行く勇気もない。
閉塞感に悩まされながらも、日本という「井」の中から這い出そうともしない、、、、。でも、そのような状況の中でも、今、福岡のある若者は南京で大奮闘中なのだ。彼と接していると日本も捨てたものじゃないと勇気が湧いてくる。今から3年前に、その若者は言葉も分からないままに、南京に飛び込んだ。南京で大きな総合商業施設の建設と運営管理を手掛けるために。先日、久々に、若者に会ったら、中国語もコミュニケーションがとれるほどに上達し、すっかり南京の大地に根ざし始めたようで、微笑ましかった。確か、昨年にお会いした時には、仕事以外の時間が全くとれないと言われていたのを覚えている。そのような状態の中でどうやって学んだのだろう。開業当時は、知名度の低さに集客にご苦労されたが、今は知名度もかなり上がり、テナントの売り上げも対前年比180%の伸びで成長しているだという。日本では信じられない話だ。今その商業施設にはユニクロ、ZARAやH&M、良品無印はすでに進出しているが、二期目には、昨年、原宿に2000人の行列ができるほどに話題を呼んだ店舗フォーエバー21を誘致するのだと若者の夢が膨らむ。ところで、先日、たまたま南京に訪れ、お会いしたら、折しも若者の誕生日の日に遭遇。思わずみんなでハッピーバースデーと若者のお誕生を祝った。今後、福岡に一時帰国された時には是非、留学生サポートセンターの日本文化塾で講演をしていただきたい。
2009年12月14日
北京にも福岡を繋ぐ絆が
先日、久々に仕事抜きで一人で北京に行った。福岡の友人の紹介で、贅沢にもザ・リッツカルトン北京に2連泊もさせていただいたが、北京オリンピックを視野に、2年前にできたというザ・リッツカルトン北京のジェネラルマネージャを務めておられるD,V氏で。彼は北京の前の勤務先が福岡グランドハイアットだったため、大の福岡のファンだという。D,V氏はまだ40代とお若い。アジアの国々を駆け巡るすごい国際ビジネスマン。英国ご出身のD,V氏は凛としていながらも、とても暖かいお人柄。彼は今でも時折福岡に来られ、温泉など和の癒しの文化を楽しまれているという。北京でこんなにも福岡を愛してくださる人がいるということはやはり嬉しい。世界を繋いでくださる大切な絆である彼らがいつまでも福岡を愛していただくためにも、福岡の魅力アップのために、住民である我々が弛まぬ努力をしなければならいと思った。ところで、リッツカルトンは、さすがに一流のホテルとだけとあって、控えめな色彩で内装が施され、英国式の格調高き気品満ちあふれる素敵なホテルで、暖かく落ち着いた空間の中で身も心も癒された。残念だったことは新しいスポット・北京最大規模の高級デパート「新光天地」がリッツカルトンの直ぐ目の前にあったのに、足を運ぶことができなかったことである。次回は是非行ってみたい。
2009年10月19日
福岡−上海ヤングネットワーク・縁縁会の皆様と久々に再会
2009年07月13日
この笑顔を絶やさないためにも
しかし、私はサポートセンターの果たすべき役割はそれだけではないと考える。日本の未来にとって留学生ももちろん大切な宝なのだが、本当に日本の未来を背負ってもらわなければならないのは日本の若者達だ。ですから、留学生支援と共に日本の若者達をも一緒に育んでいかなければと痛感している。そのために、現在、留学生のために開催している日本文化塾には日本の若者達にはたくさん参加していただいており、文化塾を側面から支えてくれている若者ボランティアチーム「おむすび組」のメンバーは今30人というちょっとした組織となってきているが、嬉しいことに、ボランティアチームのメンバーは日本人の若者と留学生でちょうど半々となっている。先日、若者達への慰労会を我が家で行ったが、仕事仲間も若者達の激励に駆けつけてくださり、特に私がもっとも尊敬する田中国際交流局長は、若者達に自然の恵みを食べさせてあげたいと言って、朝早くからご自宅の裏山に入って、じゃがいもを堀り、また、タケノコをとって時間を掛けて茹で、取り立てのタマネギーと共にたくさんもってきてくださって、新鮮な大自然の恵みをたくさんいただいて、若者達が大いに喜んだ。
「我々大人が若い人達に何を伝えていくかということは、大きな課題だ。もちろん、それは彼ら自身が自らの努力で獲得しなければ、意味がない。けれども、我々が、純粋に考えていること、感じていることなどを、できるだけストレートに伝えることも大切なのではないか。将来何が起こるか、どんな社会になるか、誰にもわからない。ただ、分かっていることは、今の若い人達の考えで社会が、世界が、動いているということ、これだけははっきりしている」
若者達の純粋な心と笑顔を絶やすことがないように・若者達が夢と希望をもって生きていけるような社会であるように、今日もそう心から祈っている。
2009年06月29日
中国江蘇省・新省長福岡に来たる Part 2
2009年06月22日
中国江蘇省・新省長福岡に来たる Part 1
2009年02月16日
おいでよ「留サポ・日本文塾」にPart 3
留学生サポートセンターを留学生の皆さんにとって、いつ帰ってきてもらっても楽しくて暖かい我が家にしていきたい。この文化塾はそういう強い気持ちが込められている。
日本文化塾は、文化塾とタイトルが付いているが、しかし、芸術や音楽などの文化だけを学ぶ塾ではない。文化とは古代文化、現代文化、若者文化、伝統文化もあれば、異文化、地域文化、企業文化などと幅が広い。これらの分野で活躍される方々に講話していただいた後に、フリーディスカッションを行うことにより、活発で魅力あふれる学びの場を目指していく。また、講演終了後の懇親会では、留学生や若者達には、講師や参加されておられる大人の人達と交わり合って、日頃の悩みなどを相談ができるように、大人の皆さんには若者達のよきアドバイザーとなっていただければと願ってやまない。また、この塾は地域の皆様と共につくる塾にしていきたいと考え、運営資金も募集している。もちろん、少額で十分で、塾の開催主旨に賛同し、留学生をサポートしたいと考えておられる方は是非、留学生サポートセンターにご連絡いただきたい。もちろん、講師としてご協力していただけるということでも大歓迎。日本文化塾の開催により、留学生支援はもとより、この地域の活性化に微力ながら貢献できればと願って、麻生知事と木下俊彦・早稲田大学教授に特別講演の講師にお迎えして「留サポ・日本文化塾」は2月28日から第一歩を踏み出す。
2009年02月09日
おいでよ「留サポ・日本文塾」にPart 2
せっかく育てたこれらの優秀な国際人財が外へ流失してしまうことは、日本にとって大きな損失ではないのか。異文化の衝突と摩擦を無くし、世界の若者達と共生できる日本を作ることは日本が突き進むべき道だと思う。留学生の皆さんは、それぞれの国の素晴らしい異文化をもってこの地域にやってきている。彼らと共生ですることはこれから生きる日本人が生きる力を培うことに繋がる。また、留学生の皆さんはそれぞれの国と繋ぐ大切な架け橋。留学生を大切にすることは日本の将来のためのサポーターズを作ることに繋がる。
2009年02月02日
おいでよ「留サポ・日本文塾」に Part 1
そもそもなぜ、今のような困難の時期にこのような塾を開催しようとするのか、そう考えられる方もおられることであろう。実は、この塾の開催に対して込められている思いは、一言で表現するというのであれば「将来の日本作り」に繋げるため。より具体的に言えば思いは大きく二つある。一つは、留学生の就職支援と日本定着促進するための場作り、もう一つは、日本の若者に大いなる異文化の刺激を与え、グローバルに生きる力を養ってもらうことに合わせて、地域住民にも国際社会に対する関心を持ち内なる国際化を促進すること。そのための大きなムーブメントを作ることなのだ。
「日本浙江大学校友会副会長・周華氏がサポートセンターを訪問」
2009年01月26日
香港の友人・福岡の食文化の豊かさに脱帽
さて、最近、私が気づいたことがある。それは、福岡に本当にセンスがよく、
新鮮な食材を活かし、美味しい料理を食べさせてくれる素敵なお店が増えたことだ。そして、決してゴージャスではないが、落ち着きのある雰囲気の中で、お料理にあわせながら、ワインを楽しみ、会話が弾む。それは世界にも誇れる素晴らしい食文化なのではないか、福岡の一住民として誇らしく思うのは私だけではないはず、この良さをもっともっと世界の人々にも届けたい。
2008年05月05日
馬英九氏の登場・九州の未来にとって何を意味するのか
成長指数が少なくとも5%、来年には6%の成長が見込まれるというのだ。
これまでに、台湾企業が多く大陸に進出しているが、しかし、大陸の企業が台湾に進出することはできなかった。馬氏は、今後、海峡経済の一層の発展を促すためには、片側通行だけではなく、大陸の企業も台湾で経済活動ができる環境を整えると同時に、台湾企業が大陸への投資ハードルも低くしたいと意気込む。このことによって、今後、海峡関係が大きく変わることが間違いないし、そしてまた、台湾のエバー
グリーン社がなぜ福岡に投資したのか、などなどを考えれば、このことは、九州地域、特に福岡にとって、決して無関係な出来事ではないということを早く気づかなければならないたろう。
※次回掲載は、5/12(月)を予定しております。
2007年10月15日
中国新華社若きエリート記者麻生知事をインタビュー
インタビューすべく、麻生知事を尋ねた。新華社は日本に特派員を派遣している中国マスメディアの
中で、最も規模が大きく、一社だけで特派員十数名もいるという。
今回福岡に取材に来てくれた孫巍氏は御年30の半ばと若く、前途洋々たる若きエリートなのである。
今中国では環境問題が悪化し、政治体制をも揺るがすほどに大きな社会問題となっている。
空気汚染のみならず、深刻な水汚染は人々の日常生活を脅かしている。
中国政府は環境問題の解決を最優先課題とし、あらゆる手段と対策が講じられている。
今回の現場での取材及び知事へのインタビューの内容は、中国で発行部数が最も多く、
しかも共産党幹部たちがもっとも参考にしている新聞「参考消息」で、紙面一枚を使って
「循環型社会を目指す福岡県」というテーマで特集記事が掲載された。
福岡の取り組みが少しでも中国の環境問題改善のために寄与でるよう心から切に願う。
※次回掲載は、10/22(月)を予定しております。
2007年06月04日
中国在福岡総領事武亜朋氏と語る 3
武 中国への進出には、中国社会の分析、文化や歴史、一般の中国人の考え方をよく理解することが不可欠です。特に中国人の人間関係、周囲との付き合い方をよく知らなければなりません。
青木 そうですね、中国の商習なども、しっかりと学び、そして、決済のスピードを上げ、現地化の度合いの大きさが必要になってくると思います。この点、欧米企業は非常に進んでおり、それが成功の要因となっています。
武 人間は誰でも、あまり信頼されていないと感じると熱心にはならないものです。地元の人を登用すれば、中国の事情に通じているという利点と、人件費を押さえることもできます。
青木 九州の人口は約千三百五十万人、経済規模は三千五百億ドルで韓国の一国と同じ規模です。今後、アジアの中で重要性が増していくと思うのですが、日本のアジア外交が円滑に進まないと、経済も冷え込んでくる懸念があります。
武 そうですね、政治が冷え込めば経済への影響は避けられません。政治と経済の密接な関係はどの国でも同じではありませんか。政治と経済は表裏一体なので分離できないと思います。ですから、経済の協力のためには、できるだけ政治の影響を少なくしなければなりません。今後、より一層日中関係を前進させてほしいと願っています。
青木 最後に、福岡のオリンピックへの挑戦はどうご覧になりましたか。
武 決定の際の生中継を見ていました。巨大都市ではなく百五十万都市が挑戦したのは非常に勇気が必要で、他の都市を勇気づけたと思いますよ。
青木 東京だけではない多様な日本を世界にアピールした福岡の挑戦は今後、じわじわとアジアや世界に浸透すると思います。ぜひ見守ってほしいと思います。
※次回掲載は、6/11(月)を予定しております。
2007年05月28日
中国在福岡総領事武亜朋氏と語る 2
武 その通りですね。最近の中国は広大な市場というばかりでなく、先進的な地域から今後伸びる地域までさまざまな地域と需要があるのも特徴です。また、以前と比べ中国も進んでおり、進出企業を支える企業群が育っています。日本の進出企業もすべてを日本から持ってくるというのでなく、中国人材の活用を考えてほしいですね。揚子江、珠江デルタには日本企業の需要を満たす多彩な企業があります。
青木 九州のアジアビジネスを考えた場合、二つの方向性があります。一つは九州から出て行くこと、もう一つは中国はじめアジアの企業を呼び込むことです。海外への進出では、九州の地の利の良さと長い交流の歴史を背景にして、九州の産業の強みを生かして進出することが大切です。一方、アジア企業の呼び込みも大事ですが、しかし、今のところはそれほど多くの事例はみられていません。
武 その要因は、日本全体として開発特区のような優遇政策があまり多くないことに起因していると思います。ただ、それは九州だけでできることではなく、国の政策の問題ですからね。
青木 早急に国レベルで福岡を中心とする九州を一大アジアビジネス特区と位置づけて、法的な整備など受け皿づくりをやってほしいですね。
武 そうですね、これから食の問題、観光、健康関連、人材育成などは中国も注目しているところです。特に九州は教育の面で優れているので、人材育成の中心地域として中国と協力できると思います。
青木 今、今九州全体で取り組めることはまず、観光客の誘致があると思います。たくさんの中国、アジアの方々に来ていただいて、九州の良さを認識してもらうことです。そして、九州・福岡の産業集積、特に知識集約の面の強みを活した『知識センター』の構築など、アジア地域との共同研究開発機関をつくることが考えられます。環境問題では中国も頭を痛めていますから、国連でも認められた北九州の環境技術は大きな力となるはずです。『食の分野』も共同研究の可能性があります。
武 賛成です。中国の胡錦濤指導部は社会づくりの大方針として、持続可能なバランスのとれた発展を大事にしています。その点で環境保護は大事な問題であり、協力の余地は十分あります。中国では、水処理、ごみ処理、再生可能資源、エネルギー問題などが話題になっています。これらの分野の人材交流を経て、協力の可能性などが広がると思います。
青木 いくつか課題もあります。日本から中国に進出した企業は約三万五千社にのぼり、今も増え続けていますが、しかし、失敗している企業も少なくありません。この点は、どうお考えですか。
武 よく調べたわけではありませんが、一つ言えるのは、事前の調査不足と、行けば何とかなるという姿勢での進出が失敗につながっているのではないでしょうか。
~つづく~
※次回掲載は、6/4(月)を予定しております。
2007年05月14日
中国在福岡総領事武亜朋氏と語る 1
青木 総領事は一昨年九月に福岡にご着任されて、ちょうど丸二年になりますが、九州にはどんな印象をお持ちですか。
武 九州は歴史的に見ても中国と長く親しいつきあいをしてきました。そのため、九州の人は中国人に大変親切で、とてもいい印象を受けました。
青木 近年、日本と中国、韓国との間は政治的には冷え込んでいますが、九州との関係では友好交流やビジネス面など依然として盛んで、むしろ増えてきています。
武 大変うれしいことです。九州全体として中国との交流には大変熱心だと感じています。特に福岡県の麻生知事は経済交流に力を入れ、江蘇省や上海、東北地域などとたびたび代表団を交わし、実際の効果も上がっています。
青木 麻生知事は、地方対地方、政治に左右されない交流ということで非常に力を入れています。福岡県と江蘇省との友好提携も来年で十五周年になります。これまで人的交流が主でしたが、交流をビジネスチャンスにしようという新しい動きが出てきましたね。
武 それを受けて江蘇省も福岡に日本代表処を置いて、代表団の派遣や投資説明会をよく開いています。中国も日本市場に進出するための調査活動をより真剣に始めました。
青木 福岡からは中国はじめ二十三の国と地域に定期便があります。こうした便利な交通環境があり、しかも北部九州には製鉄、自動車、システムLSI、ロボット、環境などの産業集積があります。さらにバイオ、ナノテクノロジーなど新分野の産業も起こってきています。また、南九州は大自然に恵まれ、豊富な食材があり、観光資源も豊かです。中国との交流の可能性は大きく広がっていると思いますが、中国の皆さんは九州のこうした点に着目しているんでしょうか。
武 次第に理解が深まっているところです。九州はおっしゃる通り、大変しっかりした産業基盤があります。一方、農業や水産業の面でも蓄積された経験と進んだ技術を持っています。これからは特に、『食と農』の面での協力の可能性は大いにあると思います。
~つづく~
※次回掲載は、5/21(月)を予定しております。
2007年04月09日
九州には地域の優位性あり知名度アップのための取り組みを
日本経済の中心は、東京や大阪だけと思われていて、中国をはじめとするアジアの企業はこうした大都市しか知らないで取り引きをしています。けれどもそこではないと疑問を抱き始め、新しいビジネスの場を求めていることは間違いありません。九州には恵まれた立地条件だけではなく、自動車や半導体といった新産業の集積があり、素晴らしい技術をもつ中小企業も多く点在し、カウンターパートナーとなり得る可能性が十分にあります。今後は官民が一体となって地域全体に磨きをかけ、アジアの人々に知ってもらうための努力から始めるべきでしょう。
そして今私たちに求められているのは異文化を尊敬する気持ち、価値観の違いを受け入れるたくましさだと思います。人が集まってくる家は栄えるといいます。アジアの人々がどんどん集まってきたくなるような九州になれば、九州の未来も明るいものとなるのではないでしょうか。
※次回掲載は、4/16(月)を予定しております。
2006年11月20日
九大新キャンパス 七不思議の一つ
実は、私は仕事で時折中国の大学を訪れることがあるのですが、次から次へと誕生する中国の大学の大規模で実にモダンな新キャンパスしばしば圧倒されていました。上海の復旦大学の新キャンパスはしかり。
うん、これなら、どこに出しても恥ずかしくはない、今度、中国のミッションを九大新キャンパスを御案内するのが楽しみになりました。
ところで、皆さん、九大の新キャンパスに七つの不思議なことがあるのをご存じですか、不思議の一つが、写真にも写っている庭石にあるのです。石と石の間の隙間に頭を突っ込んでみてください。どことなく、日本語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語等などの世界中の言葉の不思議なささやきが心地よく聞こえてくるのですよ。
※次回掲載は、11/27(月)を予定しております。
2006年11月06日
博多織のルーツを尋ねて
中でも、私がもっとも興味深いと思ったのは、径山−興聖萬壽禅寺でお会いした地元の郷土史研究家−愉清源老人の話だった。愉老人がいわく、径山と日本との交流は悠久なる歴史を誇っているという。1199年(南宋慶元五年)に始まり、今日まで800年も続いている。そして長い日中交流の歴史の中で、日本が中国文化を大規模に吸収した時期は歴史上三回あったという。一回目は奈良時代(710‐793)・平安時代(794‐1184)前期、即ち中国の唐から宋にかけて。二回目は鎌倉時代(1185‐1333)中期から安土桃山時代(1573‐1603)にわたり、即ち中国の宋から元と明の初頭ころ。三回目は江戸時代(1604‐1867)前期、即ち中国の明の中・後期と清の初期まで。特に、二回目の鎌倉時代(1185-1333)中期から安土桃山時代までは、多くの日本留学曽が径山−興聖萬壽禅寺で修行を行ったというのだ。そこから、機織技術、お茶の栽培技術等などを日本に持ち帰ったらしい。それから、もっと私を感動させたのは、命の危険をまで冒してまで海を渡ってきた日本人僧侶の熱意に心打たれた中国側の僧侶達がついに、日本側の招きに応じて鑑真和尚が日本へ渡ることを決意したという話であった。これは、日中両国の政府指導者たちに大いに聞かせて上げたい話だと強く思った。
※次回掲載は、11/13(月)を予定しております。
2006年10月30日
上海—福岡サポーターズヤングネットワーク「縁縁会」の若者たち
実は、そのような時期に、「縁縁会」のメンバーたちは、冷えきっている今の日中関係に、暖かい春風を吹き込みたいと願い、大好きな日本の花見の文化を上海に持ち込みたいと考えられ、復旦大学のキャンパスに「縁縁桜花林」を作ることが提案出された。彼等の純真な気持ちに打たれた私は、百本の桜の苗木の購入資金を確保すべく、福岡で募金活動を展開することを約束した。そして、多くの心ある方々から賛同をいただき、あっと言う間に購入資金が集まった。
更に、復旦大学に務める陳雲さんが積極的に大学側と掛け合ってくださった結果、大学側から、約5メートル前後の桜を植える土地を無償で提供してくださることを快諾してくれた。そして、メンバーたちのそれぞれのお得意な分野を活かして、設計、桜の木の手配などなどの作業がどんどん進み、今年の2月25日に、百本の桜が復旦大学のキャンパスの広い大地に根をおろしたのであった。植樹祭に日本国駐上海総領事の隈丸様ご夫妻、政治・経済担当領事の河邑様、そして福岡地元からはアジア経営塾副塾長、九州電力の橋田常務が率いられる事務局スタッフと塾生も加わり、日中関係者約100名が参加した。植樹祭の様子は、福岡からNHK福岡放送局の来田記者が熱心に取材し、おはよう日本で全国放送。また、西日本新聞の椛島記者もその様子を即座に記事にしたため、大きく取り上げてくださった。
この度の友好の桜の森の実現のために、多くの福岡の人々、日本の皆様から、暖かい応援をいただいたは、中国の若者たちが深く心に刻まれ永遠に忘れることはないと思う。
桜が美しく咲き誇るころに、日中両国の人々が桜の木の下で、楽しく集い語り、この「縁縁桜花林」が永久に日中両国の人々の心のきずなたることを心から願わずにはいられない私は、新たなる日中の絆を探し求めながら、また、明日へと走り続ける。
※次回掲載は、11/6(月)を予定しております。