中国の今を知る、中国の未来を読む。

  

Posted by at

2007年05月28日

中国在福岡総領事武亜朋氏と語る 2

青木 特に『食の安全』分野での可能性は大きいと思います。九〇年代後半までは、九州からの中国進出企業の多くは安い労働力を求めた製造業でしたが、二〇〇一年に中国がWTOに加盟してからは、中国をマーケットとして見るようになり、サービス産業の進出がめざましくなっています。

 その通りですね。最近の中国は広大な市場というばかりでなく、先進的な地域から今後伸びる地域までさまざまな地域と需要があるのも特徴です。また、以前と比べ中国も進んでおり、進出企業を支える企業群が育っています。日本の進出企業もすべてを日本から持ってくるというのでなく、中国人材の活用を考えてほしいですね。揚子江、珠江デルタには日本企業の需要を満たす多彩な企業があります。

青木 九州のアジアビジネスを考えた場合、二つの方向性があります。一つは九州から出て行くこと、もう一つは中国はじめアジアの企業を呼び込むことです。海外への進出では、九州の地の利の良さと長い交流の歴史を背景にして、九州の産業の強みを生かして進出することが大切です。一方、アジア企業の呼び込みも大事ですが、しかし、今のところはそれほど多くの事例はみられていません。

 その要因は、日本全体として開発特区のような優遇政策があまり多くないことに起因していると思います。ただ、それは九州だけでできることではなく、国の政策の問題ですからね。

青木 早急に国レベルで福岡を中心とする九州を一大アジアビジネス特区と位置づけて、法的な整備など受け皿づくりをやってほしいですね。

 そうですね、これから食の問題、観光、健康関連、人材育成などは中国も注目しているところです。特に九州は教育の面で優れているので、人材育成の中心地域として中国と協力できると思います。

青木 今、今九州全体で取り組めることはまず、観光客の誘致があると思います。たくさんの中国、アジアの方々に来ていただいて、九州の良さを認識してもらうことです。そして、九州・福岡の産業集積、特に知識集約の面の強みを活した『知識センター』の構築など、アジア地域との共同研究開発機関をつくることが考えられます。環境問題では中国も頭を痛めていますから、国連でも認められた北九州の環境技術は大きな力となるはずです。『食の分野』も共同研究の可能性があります。

 賛成です。中国の胡錦濤指導部は社会づくりの大方針として、持続可能なバランスのとれた発展を大事にしています。その点で環境保護は大事な問題であり、協力の余地は十分あります。中国では、水処理、ごみ処理、再生可能資源、エネルギー問題などが話題になっています。これらの分野の人材交流を経て、協力の可能性などが広がると思います。

青木 いくつか課題もあります。日本から中国に進出した企業は約三万五千社にのぼり、今も増え続けていますが、しかし、失敗している企業も少なくありません。この点は、どうお考えですか。

 よく調べたわけではありませんが、一つ言えるのは、事前の調査不足と、行けば何とかなるという姿勢での進出が失敗につながっているのではないでしょうか。

~つづく~


※次回掲載は、6/4(月)を予定しております。  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)福岡とアジア

2007年05月21日

過去を振り返ってはいけない しかし、判断の基準は歴史にある

 ここしばらく、目まぐるしいほどに様々な出来事があり大変忙しい日々を過ごしていました。このような時に平常心を保つためには読書が一番よいだと常日頃と思っている私であります。真剣に読めば物語りの世界に引きずり込まれ、現実からしばし離れられるのがいいと思うのです。ここしばらく、実は若い頃に読んではいたけれどあまりぴんとこなかった三国志や武則天(中国史上最初で最後の女帝−唐の時代)などの中国の歴史物に没頭していました。時には朝から夕方まで、またあるときは深夜から明け方のまで。三国志といえば戦いばかりの物語で、それなのに何がそんなに人を引きつけて離さないのだと不思議に思うのですが、本当に面白いです。三国志をよく理解していれば、今の中国もよく理解できるようなきがするし、武則天をよく読めば毛夫人江青女史がなぜあれだ権力の座に固執したのかがよくわかりますね、、、。

 時は進み時代は変われけれど、しかし、かなしかな、歴史は繰り返すのですね。だからでしょうか、「人は過去を振り返ってはいけない、しかし、判断の基準は歴史にある」というのですね。





※次回掲載は、5/28(月)を予定しております。  

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)青木麗子の日々

2007年05月14日

中国在福岡総領事武亜朋氏と語る 1

青木 総領事は一昨年九月に福岡にご着任されて、ちょうど丸二年になりますが、九州にはどんな印象をお持ちですか。

 九州は歴史的に見ても中国と長く親しいつきあいをしてきました。そのため、九州の人は中国人に大変親切で、とてもいい印象を受けました。

青木 近年、日本と中国、韓国との間は政治的には冷え込んでいますが、九州との関係では友好交流やビジネス面など依然として盛んで、むしろ増えてきています。

 大変うれしいことです。九州全体として中国との交流には大変熱心だと感じています。特に福岡県の麻生知事は経済交流に力を入れ、江蘇省や上海、東北地域などとたびたび代表団を交わし、実際の効果も上がっています。

青木 麻生知事は、地方対地方、政治に左右されない交流ということで非常に力を入れています。福岡県と江蘇省との友好提携も来年で十五周年になります。これまで人的交流が主でしたが、交流をビジネスチャンスにしようという新しい動きが出てきましたね。

 それを受けて江蘇省も福岡に日本代表処を置いて、代表団の派遣や投資説明会をよく開いています。中国も日本市場に進出するための調査活動をより真剣に始めました。

青木 福岡からは中国はじめ二十三の国と地域に定期便があります。こうした便利な交通環境があり、しかも北部九州には製鉄、自動車、システムLSI、ロボット、環境などの産業集積があります。さらにバイオ、ナノテクノロジーなど新分野の産業も起こってきています。また、南九州は大自然に恵まれ、豊富な食材があり、観光資源も豊かです。中国との交流の可能性は大きく広がっていると思いますが、中国の皆さんは九州のこうした点に着目しているんでしょうか。

 次第に理解が深まっているところです。九州はおっしゃる通り、大変しっかりした産業基盤があります。一方、農業や水産業の面でも蓄積された経験と進んだ技術を持っています。これからは特に、『食と農』の面での協力の可能性は大いにあると思います。








~つづく~



※次回掲載は、5/21(月)を予定しております。  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)福岡とアジア