中国の今を知る、中国の未来を読む。

2008年08月25日

福岡県留学生サポートセンターが誕生

七月二十四日、福岡県留学生サポートセンター開所式が、多くの関係者の方々が見守る中に執り行われた。現在福岡県内に留学しておられる海外からの留学生は六千人を超えている。これは東京、大阪に次いで三番目に多い地域なのである。福岡は地理的にもアジア諸国と近く、悠久成る歴史の中で、絶えずアジア諸国と向き合い、共に発展してきた。そういう縁のせいなのか、アジア諸国からの留学生が絶対数を占める。中でも中国からの留学生が最も多い。
 これらの留学生の皆さんは、目標達成への高い志と、将来への夢と期待を膨らませながら福岡にやってきている。留学生の皆さんが安心して、福岡で学んでいただくために、福岡県は県内にある主な大学、そして産業界と力を合わせて「福岡県留学生サポートセンター」を創設した。サポートセンターは、これから、留学生の皆さんに対して、アルバイトの紹介、悩み相談、卒業後の就職紹介等々、総合的な面からサポートすることに乗り出し、留学生のみなさんから愛される日本・福岡県を目指して動き始めた。
 留学生の皆さんは、ふるさとを離れ異国での生活をする上で、困難と不安を感じる事も多いことであろう。そのような事に直面した時には、いつでも留学生サポートセンターに訪ねてきてほしい。サポートセンターの扉はいつも、留学生の皆さんのために開けている。知事から任命を受けて、センター長に就任した私は、留学生のみなさんの日本の母的存在でありたいと心から願っている。

  


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2008年08月18日

「日中関係とソフトパワーとの関連」Part 3

古代において、日本は中国から多くの「文化」を取り入れ後に、日本流にアレンジし、日本に定着させました。しかし、近代(明治維新以降)になると、日本は中国ではなく積極的に西洋文明(ソフトパワーがかなりの部分を占める)を吸収し、東洋に広げるようにしました。しかし、大変ユニークな事に、その頃に多くの中国人(孫文、魯迅、蒋介石、郭沫若、夏えんなど)が日本に留学しましたが、彼等によって日本からたくさんの二文字単語を中国に持ち込んで、中国で定着しました。たとえば、弁当、文化、社会、経済、哲学、科学、物理、化学、数学、理論、宗教などなど上げようと思えば枚挙にいとまがありません。

漢字は元々中国から日本に伝わった文字(ソフトパワー)でした。ところで、明治時代に西洋に渡った日本人の多くはそれまで知らなかった言葉(知識や技術)を一生懸命に漢字に直し、所謂「和語」にしました。その後、日本にわたった中国の留学生たちは漢字で表した和語をそのまま中国に「持ち帰った」訳ですね。読み方が当然ながら違いますが、しかし、文字と意味は全く同じであることから、中国の言葉として定着したのです。そういう意味で、漢字は正に「良きソフトパワー」として日中間の交流に素晴らしい役割を果たしたと言えるのでしょう。

<▼記事とは関連御座いませんが、オリンピック開催中の北京の街の様子>



  


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2008年08月11日

確実に変わり始めた中国

 2008年8月8日8時8分、見事に8が五つ並んだこの日、千年の夢が叶えられ、屈折した二百年(アヘン戦争に負けて以来)の雪辱を果たした瞬間だと、十三億の中国の人々をはじめ、世界中にいる中国の人々がそう思い、胸が熱く感涙した瞬間だったに違いない。長年、絶えず日中両国の狭間に生きてきた私にとっても多分に漏れず、目頭が熱くなる思いをした。
 北京オリンピックの開幕式、あなたの目にはどのように写ったのだろうか。人によっては、中国が総国力を絞り出し「国威発揚」の見せ場だと思われた人もいたに違いない。しかし、中国五千年の古代文化を遡りつつ、「朋あり、遠方より来たる。また楽しからずや。」と、孔子の名言で世界中から集まってきた人々を歓迎し、汗まみれながら、幾度となく人間ブロックで「和」という文字を表現。そして、大陸の地で、「中国・台湾」ではなく、堂々と「中華・台湾」と書かれたプラカードに続いて、実に和やかでリラックスした雰囲気の中で入場してくる選手団、その姿を一目見ようと、拍手しながら身を乗り出す台湾前国民党党首の連戦氏、現国民党党首の呉伯雄氏の姿を目の当たりにして、ああ、中国は確実に変わり始めたのだ。私はそう思わずにはいられなかった。
 伝統文化を重んじ、アジアに多大なる影響力をもたらした「孔子思想」の復興を計り、「以和為貴」の精神で世界の人々から尊重される中国を目指していく、これがまさに今回の北京オリンピック開幕式を通して、胡錦濤さんが発したかったもっとも重要なメッセージだったのではなかったのか。
 長い歴史によって積み残された民族問題、行き詰まりを見せ始めた深刻な「政経矛盾」、環境破壊、貧富の格差、未解決の政治課題、倫理観喪失による「腐敗」、国民素質の底上げ、等々の問題が山積し、胡錦濤さんが行くいばらの道は果てしなく遠く続く。しかし、彼らには、そのいばらの道を乗り越えるだけの、知恵と決意・覚悟、そして勇気が備わっていると信じたい。オリンピックが終えれば、いろいろな意味の「激震」が幾度となく中国を襲うかもしれない。「利」だけではなく、「情」で繋がり、切っても切れない一衣帯水の間柄にある日中両国の人々がしっかりと手を携えながら、情の関係に加え、「情と理」の関係を構築しつつ、広い心で、お互いを尊重し、信頼し、相互補完の精神で、共に日中新時代を切り開いてほしい。未来を生きる子供たちのためにも。

  


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2008年08月04日

「日中関係とソフトパワーとの関連」Part 2

ところで、先日、講演のご案内を知人に差し上げましたところ「ソフトパワーとはどんな事を意味するのでしょうか。所謂情報産業のソフト開発関連であれば、参加させたい人がいますが」と、お返事が届きました。なるほど、ソフトパワーという言葉、まだ日本では一般的に市民権を得ていないということが分かりました。そこで、ソフトパワーの意味について、まず始めに触れてみたいと思います。
ソフトパワーについて、ジョセフ・ナイ氏が著書「ソフトパワー」の中で
このように述べられています「ソフトパワーとは、所謂経済力や軍事力ではなく、その国(地域)の広義的な「文化」を指します。ここで言う「文化」とは、普遍的なものに伝統、価値観、宗教(教え)、蓄積された知識、情報、広義的な文芸作品(詩、歌、小説、演劇、音楽、映画、など)、科学(自然科学、人文科学)、技術、などがあり、人々の身近なものに(時間=現代、空間=身の回り)ライフスタイル、嗜好消費、その時のトレンディなどがあります。


<▼記事とは関連御座いませんが、北京オリンピックメインスタジアム「鳥の巣内」の写真>




  


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