中国の今を知る、中国の未来を読む。

2008年10月27日

鑑真和上の足跡を辿る 日中青年交流の旅 Part5

上海に上陸後、市内で簡単に昼食を済ませると、大型バスに重い荷物を積み込み、一行は大きな期待を胸に、鑑真和上の故郷である揚州へと向かった。上海を出て、高速道路に乗る前の道路が補修していたため、大渋滞に巻き込まれ、目的地である揚州大学に辿り着いた時には、あたりがすっかりと暗くなっていた。まるで森の中にでもいるような錯覚が起すほどに、広いキャンパスは深い緑に覆われていた。女子学生が数名出迎えてくれた。我ら一行が大学のレストランに入ると、広いホールには既に数十名の学生と先生方が暖かく拍手で我々のを迎え入れた。みんなが椅子につくなり、揚州大学の副校長先生が早速ウェルカム挨拶、ホール中が一気に熱くなった。そして、訪中団一行を代表して木下実行委員長からもお礼のご挨拶。数時間もバスに揺れられて、さっきまで気分が悪いと言っていた学生達も、そんなことをとっくに忘れて、無我夢中で交流し始めた。揚州大学の学生によるバイオリン演奏に続き、我が方からもトランペット演奏に合わせて歌の合唱、そして、鑑真物語の寸劇を披露。発足3日目の劇団だったが、鑑真和上に扮したのが、偶然にも揚州市出身の留学生で、とても即席とも思えないほど、臨場感溢れるお芝居を見せてくれた。さすが、舞台監督を務めたのが元宝塚で男役としてステージ立っていたという早稲田大学に在学中の社会人学生だ。十月二十四日、福岡で鑑真フォーラムが開催される。是非一座をお招きして、鑑真物語を演じていただき、フォーラムを盛り上げてほしいと心から切に願う。若者達には、言葉なんかいらない。交流は続く。


  


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2008年10月20日

鑑真和上の足跡を辿る 日中青年交流の旅 Part4

九月十一日、はやり快晴であった。心配していた台風様とも遭遇せずにすみそうで、とりあえず胸を撫で下ろした。朝食後、今回のプロジェクトの実行委員長の木下俊彦先生からとっておきのお話があった。経済と国際関係との関連、平和維持に果たす経済の役割、とても深いお話だが、分かりやすかった。先生のお話の後に、入国手続きについて説明を済ませ、それぞれが下船の準備に取りかかった。窓から海面をよく見てみると、青かった海が黄土色に変わっていた。ああ、もう上海のすぐ近くまで来たのだ。上海の近くまで行くと、海と長江が合流するため水の色が濁った土色に変わる。遥か遠く見渡すと、かすかに水平線の向こう側から少しずつ建物が姿を表してくる。飛行機の発着陸が見える、あれは浦東空港なのだろうか、海に沿って横に広がるあの建物ははやり浦東空港、上海はもうすぐだ。市内にどんどん近づくと、大きなコンテナ船の向こう側に大きなコンテナバースが見える。さすがに国際大都会だと呼ばれるとだけあって、世界中から貨物が運ばれているのだ。十二時に近くづくと、今まで静かだった船の中が急に騒がしくなった。大きな荷物をもった乗客が出口あたりで行列をつくっていた。私はこれまでに三百回以上中国を訪れたが、船で中国に渡ったのは初めてだったので、まるで映画のシーンでも見るようだった。


   


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2008年10月13日

鑑真和上の足跡を辿る 日中青年交流の旅 Part3

九月十日、朝七時に起床、デッキに出てみると、朝日が高く昇って、海が太陽に照らされて、水面が穏やかに揺れながらトパーズ色に輝いていた。朝食後、特別参加された、香港で手広くビジネスをされておられる渡真一郎さんによる講話があった。渡さんは、九州・奄美大島のご出身で、若き頃に渡米し、以後四十数年間ずっと外国で暮らす。今は香港を拠点にしながら、中国大陸、そして東京でもビジネスを展開。実体験に基づく渡さんのお話は、若者達の魂を揺さぶったようで、お話が終わるや否やで質問の雨が降り注いだ。そして、渡さんのお話に続き、折敷瀬先生、小野先生からも、それぞれの経験に基づいたお話があった。短い講話であったが、若者達はすごい生きる力をもらったに違いない。昼食後、二日目とあって、少し時間的にゆとりを持てた私は若者達と一緒にデッキに出た。海風に吹かれながら、辺り一面を黄金色に染めながら、遥か遠い水平線に静かに沈み行く夕日を目の当たりして、古代の人々もまた同じ夕日を見たのだろうか、そう思うと急に胸が熱くなってきたのを覚えた・・・海はやはり素晴らしい。どのくらい長く夕日を見つめていたのだろう「先生、中国語の時間です。青木先生が来ないと始まらないですよ」と、学生達の声でふと我に返った私は彼女達に手を引かれて急ぎ足で船内に戻ったら、みんなが私を待っていた。


  


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2008年10月06日

鑑真和上の足跡を辿る 日中青年交流の旅 Part2

九月九日、午前十二時、我ら鑑真和上記念・日中青年交流プロジェクト一行を乗せた新鑑真号は、汽笛を鳴らしながら、静かに大阪港の岸壁から離れて行った。向こう岸で手を振るNHKの取材班の皆さんの姿が少しずつ遠くなっていく。それぞれの部屋に荷物を置くと、さっそく洋上研修が始まる。元日本国駐中国全権大使の谷野作太郎先生による「日中交流の現状と青少年交流について」の御講話に続き、範雲濤先生による「中国から見る戦後の日中関係」に関する講話があった。夕食後、早速、上陸後、大学での交流会の時に披露するための歌の練習をし、終了後に、グループに分かれての作業が深夜まで続いた。乗船初日とあって、なすべきことがやまほどあったので、私は洋上にいることすら忘れていた。気がつけばもうすっかり夜が更けて、船窓を見渡すと海面は月の光に照らされて、穏やかに波打っていた。明日に備えて、今日はもう休もう。明日もよい天気に恵まれるようにと祈りながら。

  


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