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2009年06月08日

南京!南京! 映画から見て取れる中国の変化 Part 1

「南京!南京!」という映画が中国に激震を走らせていると聞いた。しかし「南京!南京!」というくらいなのだから、どうせいつもの映画なのだろうと思って、私は大して気にも留めなかった。ところが、ゴールデンウィークで中国から一時帰国した友人が「南京!南京!」のDVDをお土産にくれた。せっかくいただいたが、やはり見る気が進まなかったので、一ヶ月ほど、デスクの上に置いたままだった。だけれど、先週末に、見ないままで放置して置くのはせっかく買ってきてくれた友人に申し訳ないし、今中国で話題を呼んでいる作品を知って置かなければと気を取り直して、一人で暗い部屋で「南京!南京!」を見た。見終わった後に、とてもとても複雑な気持ちに駆られた。

 内容はタイトルの通り、いつもの1937年12月の旧日本軍による南京虐殺事件を中心とする悲惨な戦争映画だつた。しかし、今回の映画は明らかに今までのその部類の映画とは大きく違う。監督はまだ30代の陸川氏、陸監督は、今回の映画の中で、そうした戦争の残虐さを取り上げつつも、戦争とは何か、人間性と戦争、戦争の本質などなどなについて、大胆にも繊細に描き、人々に問題意識を投げかようとしたのではないか、映画を見終えて、そう思わずにはいられなかった。この映画に対して中国では、賛否が真っ二つに分かれたのだという。それもそうだろう。この映画では、一人の若い日本兵に焦点が絞られ、残虐な虐殺行為が繰り広げられる傍らで、若い日本兵・角川は苦悩する。そして中国の子供達に優しく接したり、苦悩に翻弄される末、捕虜となった中国人親子を逃がして、ピストル自殺を図ったところで、映画が終わる。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国