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2009年06月15日

南京!南京! 映画から見て取れる中国の変化 Part 2

 今までのこれまでの部類の映画だったら中国人や韓国人従軍慰安婦のことが主として表に出ていただけれど、しかし、今回の映画では中国人、韓国人慰安婦に交えて、同じように戦争の餌食にされている日本人従軍慰安婦の悲惨さもちゃんと描写している。こういう角度からとりあげるというこことは今までの中国の抗日戦争映画だったら考えられないことだった。だから、この映画を見られた中国の人々の頭の中が大混乱するだろう。まったく新しい視点なのだから。今までのその部類映画だったら、単純に日本兵は鬼畜で片付けられていたし、中国の人々にとって非常に分かりやすかった、気持ちの整理もしやすかったのだろう。けれど、今回は、一言では片付けられない。人々に深く考えさせられる内容なのだ。この映画が中国で上映されたということは、紛れもなく、中国が変わり始めているということが見て分かる。そして、この映画の上演を許可した中国当局にも敬意を表したい。

 今のところ、日本では「南京!南京!」の上映計画が立っていないという、私もどちらかと言えば前向きな映画が好きで、後ろ向きのようなこの種の映画はあまり好んで見ようとは思わない。しかし、今回は、せっかく勇気を振り絞って、自分の政治生命をかけてこの映画を作られた陸川監督のような人々の勇気の芽が摘んでしまうようなことだけはないようにしなければならいとそう願わずにはいられない。そして、このような映画を見て、賛否は真っ二つに分かれたけれど、見落としてはならないのては、わずかながらも、この映画を評価している中国国民がいるという点。この点を通して、中国が静かに変わり始めているということを見落としてはならないと思うのも私だけではないはずだ。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国