中国の今を知る、中国の未来を読む。

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2010年09月27日

Part 6 人づくりは国づくり

 発展する中国の足かせとなっているのが国民の教育問題。今13億の人口を抱え込んでいますが、実は13億人の中で、中学レベルの教育しか受けていない人口がなんと総人口の9割を占めている。中国が世界の工場として成り立っているのもここに起因している。つまり、頭脳労働ではなく単純労働に従事する人がたくさんいるからだ。教育構造、これは正に中国の人口構造を反映している問題で、前にも述べているように今中国の8割を超える人口が農村に住んでおり、経済力が乏しいために子供達は中々教育を十分に受けさせられるだけの環境になかった。でも、胡錦濤政権は2年前についに、全民義務教育化(今までは真の義務教育制度にはなっていなかった)も憲法に盛り込んだ。しかも、貧しい農村の子供達一人一人がちゃんと教育を受けられるように、町にある学校に通えるようにと、交通費・寄宿費も支給されることに。人づくりは国づくり、この制度が続ければ、10年後には、中国全体の教育水準が大幅に引き揚げられることになる。教育制度が変われば、中国の青写真も大きく塗り替えられることになる。
  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)中国

2010年09月20日

Part 5 2020年・都市人口が倍増計画

 今、深刻な貧富の差を生み出している大きな要因の一つとなっている農村人口。実は中国の総人口の8割が現金収入が少ない農村人口だ。中国では日本とは違って、農民は勝手に都市に移り住むことは許されていない。例え都会に出稼ぎに行っても戸籍を移すことができないので、農民工達は都会に出ても単純労働に就くことしかできない。農村の若者達が農村を脱するするためには必死に勉強し大学に入る以外に道はなかった。農村は貧しい、農村は汚い。農民は下等公民。中国において長い歴史の中で多くの中国国民の頭の中に根強く潜む意識だと言っても過言ではない。でも、胡錦濤が率いる中国政府は、2600年も続いた農業税(人頭税) もついに撤廃し、これまでに誰も手が出せなかったいわゆる三農問題(農村、農民、農業)解決に乗り出した。2020年には今の都市人口を倍増する計画を策定し、実現に向けて様々なことに取り組み始めたようだ。そうなれば、新たに増える都市人口のために、住宅、学校、病院、ショッピングセンター、道路、上下水道などなどの建設が必要不可欠となり、新たに膨大な雇用も創出されることになるので、いわゆる負け組の部類に入れられていたこれらの人々の生活もよりよい方向に改善されることになる。人間というものは、自分がおかれている現状が少しでもよい方向に、明日が更によくなるという希望が見えれば、わざわざ暴動を起こして政府を転覆させるようなエネルギーは生まれてこない。そう考えるのが自然体ではないかと思うのは私だけなのだろうか。

 
  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)中国

2010年09月13日

Part 4「中国経済」もちろんバラ色一色という訳ではない

しかし、それでも私はあまり悲観的には見ていない

 ところで、中国経済はバラ色一色というわけでもないということも指摘しておきたい。不動産バブルは臨界点に近い危険水域までに達しており、第2のサムプライムローンにもなりかねない状況にあるし、食品の安全問題、環境問題も深刻だ。そして、社会主義政治体制のままで、市場経済の続行にも限界が来しており、政経矛盾が激しく中国を揺さぶっているという現実を抱え込んでいるということも否めない。上海万博が終われば、中国バブルが弾けて経済が失速すると見る人も多い。しかし、私は必ずしもそう悲観的には見ていない。なぜならば、中国は長い歴史の中で常に多くの問題を抱えつつもその都度切り抜けてきたし、そのような事態に慣れっこと言っても間違いではないように思う。そして、何より中国政府が自国の弱さと脆さをどこのだれよりも深く認識しており、自然崩壊を避けるべく自ら進化することに血がにじむような努力もしているということが垣間に見られるからだ。中国はどことは違ってガラパゴス状態はない。「臨機応変」これは正に中国から来た言葉なであり、中国の思想でもあるのだと思う。 

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)中国

2010年09月06日

Part 3 世界中で中国経済を求める

 そして、欧米中心の20世紀が終わりを告げ、世界の主軸が少しずつアジアにシフトし始めた頃から、中国経済が本格的な成長期に突入した。、中国が国際社会におけるプレゼンスが日増しに高まってきていることはご周知の通り。2008年に、中国の一人当たりのGDPが3000ドルを突破した辺りから、世界中で「中国市場を狙え、中国人観光客を取り込め」と叫ぶようになる。特にリーマンショック以後が一段と激しくなった。日本も多分に漏れず、製造メーカーに続き、風力発電、原子力発電、省エネ技術、環境産業、水処理技術、金融、保険、ファッション、飲食、美容などのサービス分野の中国進出が急増。他方、日本・福岡においても、デパートや商店街などでは中国人観光客を取り込むべく、銀聯カード使用OKなどの表示が目立つようになった。国際的マーケットがどんどん萎んで行く中で、中国は世界中の頼りの星として、地球の引力がグイグイと中国の方に引っ張られる。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)中国