中国の今を知る、中国の未来を読む。

2011年08月22日

蒙古塚—日本人の優しさに触れて



 7月末、香港を始め中国のビックメディアが一堂に九州に集結したことは少し前にも触れたが、その時に伝えきれなかった大切なことがあったので、ここで改めて紹介したい。今回のメディアの方々は辛亥革命100周年を記念して、孫文と九州を題材に取材することであった。しかし、九州と中国との関係はここ100年ばかりではなく、遙かいにしえの2000年も前から、日本の中で最も古く中国大陸と交流があったのだ。そのことをこれから中国を担う若くて優秀な彼らに是非とも知っていただきたく、スケジュールに盛り込まれていなかった、日本の国宝—漢委奴国王印が出土した「志賀島・金印公園」にご案内した。中国マスコミ界の若きエース達は、金印公園で、悠久なる日中交流の原点に触れられ深く感動。金印の記念碑、福岡市と中国廣州市の友好都市締結を記念して、元廣州市市長だった後に国家主席にもなられた楊尚昆さんが認められた詩が刻まれている石碑などを一生懸命にカメラに収められた。そして、その後に、金印公園の少し先にある「蒙古塚」にもご案内した。恐らくきちんとした形で中国のメディアの方々がその場に足を踏み入れるのは初めてではないかと思う。今から約700年前に、元の蒙古軍が二度に亘って日本を攻めたことなど、彼らは知らない。ましてや、攻めて来た敵の亡骸を日本人が今も尚石碑を創って供養している事など想像することもできなかったに違いない。「願以此功徳、普及於一切、我等興衆生、皆共成佛道」若きエース達は蒙古塚の石碑に刻まれたこの言葉を読んで何を考え何を思ったのか。今回の取材、真の日本理解に繋がることを心から願う。












  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国

2011年08月11日

水戸岡鋭治先生の夢の鉄道ワールド



 今日、今JR九州博多駅JR九州ホールで開催中の「水戸岡鋭治の大鉄道時代展」に足を運んだ。とてもラッキーな事に水戸岡鋭治先生御自らからご案内いただき、
水戸岡鋭治先生の夢の鉄道ワールドを拝見しとても感動した。洗練された車体、ゴージャスなホテルの一室を思わせるような車内。シート、テーブル、どれも実に美しい。日本の鉄道は今皆民間会社で運営しており、全国を北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州に分割されている。特に、JR九州の管轄の九州は総体的に乗車人数が少なく、赤字体質だった。国鉄が民営化されJR九州が出来たとき、JR九州は特色として、世界一の快適な鉄道を目指してきたのだという。その一環として、列車内外の快適性を求めて水戸先生のデザインを導入し、世界に負けない快適でユニークなデザインの素晴らしい列車ができた。デザインで優れるヨーロッパの人々も高く評価するので名実共に世界一の列車を実現した。筆者も列車の旅が大好きな故、新幹線はもとより、九州を走っている様々な列車に乗ってみた。水戸岡先生がデザインされたこれらの列車はただ列車がかっこ良いだけではなく、実はもっと驚く事は、その列車が九州の自然風景にお見事に溶け込んでいることだ。信じないなら実際に乗ってみてほしい。JR九州以外のところで列車に乗ると何となく殺風景に感じるのは筆者だけではないはず。今年の九州新幹線の全線開通で、JR九州の列車の快適性世界一を人々が知る良い機会となることを心から願っている。水戸岡先生はこれまでに、ブルネル賞、ブルーリボン賞、ローレル賞、日本鉄道賞、グッドデザイン賞、毎日デザイン賞、交通文化賞など、多くの賞を受賞されている。中国も今高速鉄道の時代に突入し、これから広大な国土に高速鉄道が整備される。今はスピードが最優先されているが、やがて、列車のデザイン性、車内の美しさと快適さを求める時代がやってくるに違いない。中国の高速鉄道の発展に水戸岡先生のご活躍を期待してやまない。「水戸岡鋭治の大鉄道時代展」は8月24日まで開催されている。

 
 
  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)青木麗子の日々

2011年08月08日

香港・中国大陸ビックメディアが一堂に集結


梅屋庄吉さんの曾孫・小坂文乃さん(前列右から3人目)

 7月28日より8月2日まで、香港フェニックス衛星放送、北京テレビ、上海テレビ、廣東テレビ、フェニックス網、大公網など、香港、中国大陸にあるビッグメディア6社が九州に集結した。日本の首都ではない九州に大陸全土のみならず、香港などの影響力が極めて強いテレビ局とネットメディアが一堂に揃い踏みするのは恐らく先も後もないはず。ご周知の通り、今年は孫文先生が率いる辛亥革命100周年の記念すべき年にあたる。今、香港、台湾のみならず中国大陸においても、辛亥革命100周年を記念する特集番組が企画されていて、今回、香港と大陸のビックメディアが一堂に九州に集結されたのも辛亥革命100周年あってのことだ。長きに亘る孫文の革命を支えた日本人は300人を超えているというが、最も中心的な人物が九州出身の宮崎滔天さんと梅屋庄吉さんであろう。今回、中国メディアの皆さんは、孫文の辛亥革命を支えた九州人の足跡を辿るために訪れられた。巨額な資金を出して孫文の革命を支えた長崎出身の梅屋庄吉さん。孫文の政治的理念に強い影響を与えたという熊本出身の玄洋社の宮崎滔天さん。そして北九州出身の安川敬一郎さん。
 孫文先生は30年に亘る長き革命生涯の中で、幾度も革命が失敗し、10年以上の亡命生活が強いられ、亡命の為だけではなく、九州は孫文先生の革命にとって非常に重要な場所だったのである。宮崎滔天は身の危険をも顧みず、清王朝から追われる孫文を自宅に匿い、度重なる筆談を通して交流を行い、孫文に多大なる影響を与え、孫文が提唱した三民主義(民族、民生、民権)の基礎ができたのもその時だったのだと聞く。この度の中国メディアの辛亥革命100周年を記念する歴史的プロジェクトは、大公網Japan Onlineが提案、九州運輸局と九州観光推進機構の招聘によって実現された。また実施にあたり香港・大公報・大公網、そして香港鳳凰衛視の絶大なるご協力によって実施することができた。九州に集まった香港・中国大陸のメディア業界の10名の若きエース達は、取材を通して九州を好きになり、孫文先生が百年前に繋いだ中国と九州とのご縁が今違った形で再び蘇り、これからの100年の絆を紡いだに違いない。


宮崎滔天さんの曾孫・宮崎黄石さん(左)

 


  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)福岡とアジア

2011年08月01日

ヘルメットかぶって新幹線に乗る

 7月23日、中国温州で鉄道事故が起きた。鉄道事故そのものは決して珍しいことではないと思うが、世界の人々を驚かしたのは事故そのものではなく、その後の事故処理なのではないだろうか。事故列車をさっさとつぶし埋めてしまう。さすがの私もその行動にはド肝が抜かれた。なぜあのようなことができるのか、どう考えても解せない。中国経済はこの5年間で歴史未曾有の発展を成し遂げられている。僅か3年の間に北京オリンピックと上海万博を開催し、世界一高いビルディング、世界一長い橋などが次々と完成され、7月1日にはついに、時速350キロの高速鉄道が開通した。正式開通の数日前には、ものすごい数の国内外のメディア関係者を招聘し、試乗会が華々しく行われた。高速鉄道の開通、正に中国の未来を象徴する出来事であり、筆者も中国の友人と共にその事を喜んだ。しかし、一ヶ月も立たない内にそのような惨事が起きるは誰が予測したのだろうか。ハードインフラの整備ばかり重視するのではなく、ソフトインフラの整備こそが求められているのではないだろうか。



  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)中国