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2012年06月11日

青木麗子が静岡県知事に直撃(2/6)

青木:
なるほど、時間軸で歴史を捉えてみるのは非常に面白いですね。ことろで、日本は明治維新に成功し東洋の中で最初の工業国になったのですが、西洋で最初に出来た工業化国・英国とはどのような違いがあるのでしょうか?

知事:

 やはり、向こうの人は小麦を食べ日本人はお米を食べます。中国の人は豚肉を食べますけど、イスラムの人は食べない、ヨーロッパと中国の間にイスラム圏があり、イスラム圏の影響を強く受けながらヨーロッパの人はそこと競争しました、そして一番イスラム圏から遠いところはイギリスですね。そこで中国で起こった科学はイスラムですごく発達します。
実はイスラムの科学は非常に高いものがあってアラビア語で書かれていますから、ラテン語に翻訳し、イスラムを抜いて行ったのです。
イギリスがヨーロッパの最初の近代国家になりますが、競争相手を大きく言えばヨーロッパにとっての先生はイスラム文明だったと思います。
しかし日本にとってイスラムは遠すぎます日本にとっての大きな文明は中国です。中国で最初に絹が作られた、お茶、木綿が作られたこういった物は全部買っていたわけですね。
日本は黄金の国ですから、平泉というところは世界遺産になりましたけど、金あるいは銅
も出たわけですが、買ってばかりいるとどんどん赤字になってしまいます。
それでは、中国のものよりもいい物を安く作って中国から買わなくてすむようにということで、ヨーロッパの人たちがイスラムから影響を受けないで自分たちで作れるようにと、それと同じように日本は中国の物を自分たちで国産化すると。
イギリスが相手にしたイスラム文明と、日本が相手にした中国文明とここに違いがあります。

青木:
それは非常に興味深いお話ですね。そのあたりをもっと深くお話をお伺いしたいのですが、今日は時間がありませんので、話題を少し変えたいと思いますが、知事は長い間学者として歩んでこられたわけですが、どうしてまた政治家になろうと思われたのでしょうか?

知事:
日本は学問が自由です。私は、経済学を勉強したわけです。経済学というのはイギリスで体系化されていますね。アダムスミス、マルクスはドイツ人だけど「資本論」はイギリスの経済を分析した本です。イギリスのロンドンに亡命しましてロンドンで大英博物館は世界最大の図書館でイギリスの経済を分析したものです。ですからケインズという人もイギリス人ですね。イギリスが経済学をリードしたわけですよ。イギリスの経済学も社会科学もやはり社会を分析して社会を良くする為のものなのです。
だから学問というのは特に社会科学というのは現実をしっかり分析をして分析した結果をしっかりと踏まえて社会をよくする、政策科学と言ってもいいです。
そういう意味で私も日本の経済を分析することを通じていかに日本の役に立つかという研究をし続けてきました。ですからただそれは情報を提供してこういうほう方向性が見えますよということを為政者の方が使うのは自由なのですが、自分がその立場になると世の中分業ですから、こちらは学問一筋と思っていたのですが、押す人があって気がつけば選ばれていたのが事情です。


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Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国