中国の今を知る、中国の未来を読む。

2009年03月30日

西安紀行 Part 1

西安紀行 Part 1
3月半ば過ぎ、私にしては珍しく、実に5年ぶりに古代中国・シルクロードの出発点だった悠久なる古都・西安を訪れた。3月半ばとはいえ、西の大地には春がまだ遠かったようで、木々たちはまだ枯れ枝のままで、車窓を開け、車に吹き込んでくる風は肌を刺すほどに冷たかった。
 長安と呼ばれた古都・長安は、紀元前11世紀から紀元後10世紀までの2000年もの長い間、秦、漢、隋、唐など中国歴代王朝の都として栄えた地域だった。
 始皇帝、漢の武帝、司馬遷、則天武后、楊貴妃など多くの歴史上のヒロインが活躍した場所として大変有名だということは申すまでもない。また、日中関係史から見ても、中国の中において日本とはもっとも深い繋がりを持つ地域だ。隋の時代には遣隋使が、唐の時代には遣唐使が日本から長安に派遣され、阿倍仲麻呂、空海などが長安に留学し、阿倍仲麻呂は優れた人材であったために、卒業後は日本に戻ることがゆるされず、朝廷でとても重要な立場において活躍されたというお話はご周知の通りである。
 先人達の足跡を辿りながら、日中両国の狭間に生きる私にとって、西安は格別な意味を持つ地域である。今、中国経済はものすごいスピードで発展を成し遂げられており、上海や北京などの大都会では、一年も行かなかったら、古い建物がどんどん壊され、街の様子が激変し、人々の歩調もそのスピードに遅れまいと、実に慌ただしい。年に20回以上も中国に足を運んでいる私は、時として、そのスピードについてゆけず、とても疲れるのだ。
 しかし、西安は古都の面影のままで静かに佇み、時間がゆっくりと流れている。私の記憶に刻まれている風景が目に飛び込んでくる。とても懐かしい。

西安紀行 Part 1

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Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00│Comments(0)中国
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