2011年07月11日
医食同源—中国から来た言葉
この頃、中国に行くと食の安全問題を取り上げられている報道が目立つ。つい最近、上海から戻るフライトの中で、私が好きでよく読んでいる「生命時報」を手に取って見たら、一面に「添加剤の包囲網に陥る子ども達」のタイトルがどかどかと出ているのを見つけた。更に読むと「着色料、防腐剤などの添加剤は骨、知力、肝臓、腎臓、神経を犯す」云々。中国当局がスナック菓子の安全性調査に乗り出したことを特集で報道されている。記事を読みながら私は大きなショックを受けながらも、自分たちが子どもだった頃、よく通っていた街の駄菓子屋さんの事を思い出した。様々に色のあめ玉、綺麗な色をしたジュースの粉、子ども達でも買える手頃な値段、買いやすい場所にあった。日本もいつかは通ってきた道なのだが、、、。
報道の内容によれば、街で売られているブラジルスタイルのシシカバブーの肉も本物ではなく人工で作られたものが多いのだという。子ども達が好んで買って食べているスナック菓子も15%程度のものが食品の安全性に問題があるのだということで、今大きな社会問題となってきている。
ご存じのように、中国も経済の発展に伴い、コンビニが至る所にでき、子ども達が簡単に買い食いできる環境にある。しかも、中国では日本とは違って、給食制度を導入している学校が少なく、殆どの子ども達は昼食を自宅に戻って取るか、或いは街に出て簡単なインスタント食品を買って済ませるか、いずれかの方法がとられているようである。このライフスタイルをどうにか改善しなければ、子ども達を守ることはとても難しい。しかし、いにしえから、中国の人々は不老長寿を追い求め、薬草などの漢方薬を日常の食事に取り入れられてきた。「医食同源」正に中国から来た言葉なのだ。けれども、今日の中国では豊になるにつれて、利便性を重んじるライフスタイルにシフトし、伝統的な考え「医食同源」という言葉が死語になりつつあるのか、深く考えさせられた。日中両国民の健康の為にも「医食同源」をテーマとする日中間で取り組むことを切に願う。