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2012年06月04日

青木麗子が静岡県知事に直撃(1/6)

青木麗子が静岡県知事に直撃(1/6)
青木:
 川勝知事、本日はお忙しい中にお時間いただき、ありがとうございます。早速なのですが、知事の元々は経済学者で、かつて、英国のオックスフォードに長く留学なされたこともあるとかで、静岡県知事になられる前から、静岡県の当時の石川知事に対し「富国有徳論」をご提案されていますし、学者の時代の研究テーマとして「いかにして日本は東洋の中で最初の工業国になったのか」、また「日本の工業化は最初工業化の英国といかなる関係にあるのか」というのがあるとお伺いしていますので、本日はその事についてお話を聞かせていただければと思います。

知事:
ありがとうございます。日本は東洋で見ると東の端で、西洋から見ると一番の端はアメリカになりますけど、アメリカは西部開拓を行った国でしょう、東部に13州ができまして、グリム・ファーザーズという人たちが上陸してそこで建国を始めていくわけです。段々と西の方に行ってフロンティアを開拓し、その向こうは太平洋があって日本がありますね。
ですから、西洋の西の端でもありますよね。東洋の東の端、西洋の西の端いうことで東西の文明が流れ着くと日本に至るというのです。
ですから、日本の歴史は奈良、平安、鎌倉、室町というふうに時代が変わると場所が変わるでしょう。場所を変えながら入れる場所を変えてきたんですよ。奈良、平安時代は中国の文化をいただくと、中国は広いですから、黄河の流域に長安とか洛陽があり、黄河文明の黄河の流域に花咲いた文明のエッセンスが奈良京都に伝わってきているのですね。
長江もありますが、長江流域界隈は米と魚の故郷なのですが、北の方はお肉を食べたり、畑作物で、南の文化は何村の時に鎌倉に入ったのです。
場所を変えながら、北の文化は京都に、南の文化は鎌倉に、室町時代に情報を集積し、中国で反映した文明は全部京都にいれるということにした。だから東洋文明の博物館なんです。太平洋に一番近いところは太平洋側ですから横浜が入り口になって日本の中心の東京に西洋の文化が入ったと。地政学的位置が大きいと思います。

青木:

地政学的な意味もあり日本は中国との関わりもあったということですかね。
 ところで、古代において中国は文化も製造技術も日本よりもずっと発展していたはずなのですが、なぜ中国は東洋において最初の工業化国にならずに、日本がなったのでしょうか?

知事:
これは非常に難しい問題です。そもそも西洋の科学の起源は中国でしょう。ところが人類史上の謎といわれています。宋の時代にできるんですよ。
ところがですね、元から明にかけて例えば鉄砲なんかでも元が最初に作っています。
だけど、明清時代は、使わないです。ですから発達をやめてしまうわけです。
羅針盤にしても火薬にしても、元のモンゴルの西への征服といいますか、そのころハンガリーからヨーロッパに伝わるわけですよ。そこで発達をしましたが、こちらは使うのを止めてしまった。
波動から横道に変わったわけです。そこが中国の偉いところで、軍事大国にならなかったんですよ。中国はそして高い文化を万里の頂上の向こうにいわゆる夷狄、朝貢(ちょうこう)時に 自分の特産物をもっていらっしゃいとその代わりに持ってきたものよりたくさん銅銭をあげる。
攻撃するよりも朝貢をして挨拶をしてあなたはあそこの大様ですか、私は中国の皇帝です。ということで関係を作りますと経済的にも豊かになるので、つまり徳を持って統治するという姿勢を貫いた。
だから、東アジアはあまり戦争はないですよ。そういう徳地に配したところが科学技術を押させたかなと。


次回につづく >>

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Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00│Comments(0)日本と中国
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