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2013年02月18日

滋賀県知事インタビュー(2/6)


青木:
さて、知事になられた2006年以降、研究者から知事になられて県政にあたられておられるこの過程において、色々な困難もぶち当たってこられたのではないかと思うのですが、滋賀県はどのような問題を抱え、それを乗り越えるために知事はどのようなチャレンジをしてこられたのか、そのあたりのことについて少しお聞かせください。

知事:
滋賀県は琵琶湖も含めて、農林水産業、歴史、文化、観光、人々の力、ものすごい潜在力があるのに、広報力がない。ブランド力がない。そして、それをあまり発信しようと思われない。とても奥ゆかしい県民性なんです。なので、100あっても50くらいしか宣伝しないのです。そして宣伝という事をあまり良いと思っていない。そこがよいところでもあり、問題でもありました。

青木:
そうですね、それは日本全体にも通じる話だと思いますね。

知事:
私にはアメリカ、中国などに友人がいますけれども、アメリカなんかは、50あれば100宣伝します。まず、言語体系がI(アイ)から始まります。中国もやはり、我(アイ)から始まる。私たち日本人は、私たちは・・・という主語がないですから、三人称から始まりますから、この言語体系からして精神構造が違う。中国、アメリカは個人主義でどんどん前に出ていく。日本は共同体主義で宣伝が下手。それの典型が滋賀県ですから、良いものを持っていても、本当に宣伝しない。これをどうやったら、皆さんが誇りを持って、自信を持って、滋賀は良い所よと、自分の言葉で語ってもらえるか、それが6年間の一番大きな課題でした。

青木:
それは、私自身も色々な所で感じました。今のこのグローバル化時代というのは、自己主張しないと誰もあなたの良さを分かってくれない。分かってもらえないと、隅っこにおいていかれる。ですから、今日は大変良いチャンスなので是非大いに滋賀県をPRして下さい。滋賀県の産業構造はどのような感じでしょうか。

知事:
生産活動からしますと、県のGDPですね、生産額の中で、42%ほどが製造業なんです。第二次産業なんです。この割合は全国で第一位です。滋賀県は製造業の物モノづくり県であるという事、これが実質的には、しかも労働生産性も高いです。製造業によって経済が支えられています。見た目は田んぼが多いし、山が多いし、農林水産業が主のように見えますけどが、農林水産業の生産額は1%くらいです。社会的、歴史文化的に農林水産業は大変大事です。農業は、2300年前に米づくりが始まり、近畿圏の米の供給地で、最も重要な近江米の産地ですし、京都や奈良、大阪を支えてきました米、。それから近江牛。近江牛も歴史が大変深長いんですね。あと加えて、野菜というようななどの農産物の供給。ただしこれ農産物は、ブランドなく農産物を供給していたんですね。

青木:
なるほど、製造業が強い地域であるとともに農業、水産業も大変進んでいる県であること、それは知りませんでしたね。

知事:
近江米はあるんですけれども、典型的なのが、野菜ですね。例えば、京野菜ありますね、漬物の千枚漬け。あのカブの8~9割は多くが滋賀県で生産しているんですけど、京野菜・京漬物なんです。さくら漬けなどというのも、元は滋賀であったり。つまり、名前がなくて、言わば、「縁の下の力持ち」。そこに対して私はここに名前を付けましょうよと、近江野菜とか。それで、日本の農業政策が主産地形成といって、ピーマンなら高知で一斉に一種類作るとか、そういう状態だったんですけれども、私自身が、農学部で農業経済をやっていましたから、主産地形成での、単品目生産ではなく、多品種目少量型で近接型の近郊型の農業を強化しようと思っています。

青木:
なるほど、京都の京野菜や京の漬け物の野菜は滋賀県からも供給されているのですね。

知事:
消費者がすぐ近くにいてくれるんですから、これを活かしましょうという事で、「おい滋賀、うれ滋賀キャンペーン」、食べた人が美味しい、そして供給する人が嬉しい、それは生産者、流通、加工、ですから第六6次産業化と今呼んでいますけれども、それはをかなり先駆的にやっておりまして、それで生産者と消費者を顔が見える関係で繋いでいく。、そしてその見える場所が、道の駅であるとか、農家の人が持ち込んで、直接販売をする、。それが今では、8070ヶ所を超えたくらい、そのくらい生産額直売所が増えています。なによりも、地域のお年寄り達の皆さんが、作ったら売って、小遣いを稼げる、これが嬉しいんですね。お小遣い稼いで、畑仕事して、それが何よりも健康というところで大事ですね。

青木:
やっぱり今、何事もブランディングが大事ですね。ブランド力があれば、付加価値が付けられて、高い値段で売れるし、そうなれば作る人も嬉しいわけですものね。

知事:
そうですね。そして滋賀の場合は、安全性を担保してに出来るんです。と言いますのは、田んぼでも、使作った後の水は琵琶湖に入りますから、農薬を減らす、。そして化学肥料をも減らす。という事で、環境こだわり農産物、環境に配慮した農産物を生産することというのが、琵琶湖の水を守ることとセットになっていまです。それで、「eat eco」。食べて環境ることで。食から環境を守る。滋賀のお米を買ってくださったれたら、結果的に琵琶湖に優しい農業をやっているんですよという事で、「eat eco」
環境こだわり農業。その水が実は、京都、大阪、神戸など、1450万人の水源になるわけなんです。話しが上手く出来過ぎているようですが、事実なんです。ですから、京都、大阪に行っても、このお米を食べて下さい、このお米を食べて下さったら、琵琶湖の水も守れるんですと、。出来るだけ高く買って下さいと。例えば10キロを他のところが5000円ならば、出来れば7000円~8000円で買って下さいという事で、一つの売り込みですね。
これを香港もでシンガポールにでもやらせていただいております。

青木:
安心で安全、しかも美味しい食材、これをどんどんPRすべきですね。

知事:
looks good!, tastes good!, and safety!. この3拍子揃った物ているのが滋賀の農産物ですので、これを香港などでも盛んに・・・へも売り込んできました。

滋賀県知事インタビュー(2/6)滋賀県知事インタビュー(2/6)





<次週に続く...>



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Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00│Comments(0)日本と中国
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