西安紀行 Part 2

青木麗子 Reiko Aoki

2009年04月06日 10:00

発展の荒波が中国中に押し寄せる中、悠久なる歴史の面影を残したまま西安はどことなく居心地がよく暖かい。どっしりと佇まいを構える町並みと同じように、西安の人々もどことなく質実剛健な感じがして、接していてなぜがほっとする。それも西安の魅力の一つなのかもしれないと思った。そのような西安が大好きで、三十数年前に、文革大革命により十七才で北京から下放させられて以来、北京には戻らず、今でも西安に住み続けておられる西安兵馬俑博物館の呉館長さんもまた、典型的な質実剛健なタイプの人で、一度お会いしただけで数十年もお付き合いをさせてもらったかのような親しみを感じられ、お人柄あふれる人だった。福岡には西安の兵馬俑博物館に収蔵されている馬などをモチーフにダイナミックな絵を描いている江源という広西チワン族自治区出身の中国人画家がいる。彼が繋いだご縁で、福岡の某会社が農業を通して国際貢献をしようと動き出している。シルクロードの出発点に果てしなく広がる黄色い大地に、いつの日か日中両国の人々の共同作業によって、実りの大地に変わっていくことを心から願う。そのためには私もいかなる協力も惜しまない。


関連記事