Part 4「中国経済」もちろんバラ色一色という訳ではない

青木麗子 Reiko Aoki

2010年09月13日 10:00

しかし、それでも私はあまり悲観的には見ていない

 ところで、中国経済はバラ色一色というわけでもないということも指摘しておきたい。不動産バブルは臨界点に近い危険水域までに達しており、第2のサムプライムローンにもなりかねない状況にあるし、食品の安全問題、環境問題も深刻だ。そして、社会主義政治体制のままで、市場経済の続行にも限界が来しており、政経矛盾が激しく中国を揺さぶっているという現実を抱え込んでいるということも否めない。上海万博が終われば、中国バブルが弾けて経済が失速すると見る人も多い。しかし、私は必ずしもそう悲観的には見ていない。なぜならば、中国は長い歴史の中で常に多くの問題を抱えつつもその都度切り抜けてきたし、そのような事態に慣れっこと言っても間違いではないように思う。そして、何より中国政府が自国の弱さと脆さをどこのだれよりも深く認識しており、自然崩壊を避けるべく自ら進化することに血がにじむような努力もしているということが垣間に見られるからだ。中国はどことは違ってガラパゴス状態はない。「臨機応変」これは正に中国から来た言葉なであり、中国の思想でもあるのだと思う。 


関連記事