Part 6 人づくりは国づくり

青木麗子 Reiko Aoki

2010年09月27日 10:00

 発展する中国の足かせとなっているのが国民の教育問題。今13億の人口を抱え込んでいますが、実は13億人の中で、中学レベルの教育しか受けていない人口がなんと総人口の9割を占めている。中国が世界の工場として成り立っているのもここに起因している。つまり、頭脳労働ではなく単純労働に従事する人がたくさんいるからだ。教育構造、これは正に中国の人口構造を反映している問題で、前にも述べているように今中国の8割を超える人口が農村に住んでおり、経済力が乏しいために子供達は中々教育を十分に受けさせられるだけの環境になかった。でも、胡錦濤政権は2年前についに、全民義務教育化(今までは真の義務教育制度にはなっていなかった)も憲法に盛り込んだ。しかも、貧しい農村の子供達一人一人がちゃんと教育を受けられるように、町にある学校に通えるようにと、交通費・寄宿費も支給されることに。人づくりは国づくり、この制度が続ければ、10年後には、中国全体の教育水準が大幅に引き揚げられることになる。教育制度が変われば、中国の青写真も大きく塗り替えられることになる。

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