香港・中国大陸ビックメディアが一堂に集結

青木麗子 Reiko Aoki

2011年08月08日 10:00


梅屋庄吉さんの曾孫・小坂文乃さん(前列右から3人目)

 7月28日より8月2日まで、香港フェニックス衛星放送、北京テレビ、上海テレビ、廣東テレビ、フェニックス網、大公網など、香港、中国大陸にあるビッグメディア6社が九州に集結した。日本の首都ではない九州に大陸全土のみならず、香港などの影響力が極めて強いテレビ局とネットメディアが一堂に揃い踏みするのは恐らく先も後もないはず。ご周知の通り、今年は孫文先生が率いる辛亥革命100周年の記念すべき年にあたる。今、香港、台湾のみならず中国大陸においても、辛亥革命100周年を記念する特集番組が企画されていて、今回、香港と大陸のビックメディアが一堂に九州に集結されたのも辛亥革命100周年あってのことだ。長きに亘る孫文の革命を支えた日本人は300人を超えているというが、最も中心的な人物が九州出身の宮崎滔天さんと梅屋庄吉さんであろう。今回、中国メディアの皆さんは、孫文の辛亥革命を支えた九州人の足跡を辿るために訪れられた。巨額な資金を出して孫文の革命を支えた長崎出身の梅屋庄吉さん。孫文の政治的理念に強い影響を与えたという熊本出身の玄洋社の宮崎滔天さん。そして北九州出身の安川敬一郎さん。
 孫文先生は30年に亘る長き革命生涯の中で、幾度も革命が失敗し、10年以上の亡命生活が強いられ、亡命の為だけではなく、九州は孫文先生の革命にとって非常に重要な場所だったのである。宮崎滔天は身の危険をも顧みず、清王朝から追われる孫文を自宅に匿い、度重なる筆談を通して交流を行い、孫文に多大なる影響を与え、孫文が提唱した三民主義(民族、民生、民権)の基礎ができたのもその時だったのだと聞く。この度の中国メディアの辛亥革命100周年を記念する歴史的プロジェクトは、大公網Japan Onlineが提案、九州運輸局と九州観光推進機構の招聘によって実現された。また実施にあたり香港・大公報・大公網、そして香港鳳凰衛視の絶大なるご協力によって実施することができた。九州に集まった香港・中国大陸のメディア業界の10名の若きエース達は、取材を通して九州を好きになり、孫文先生が百年前に繋いだ中国と九州とのご縁が今違った形で再び蘇り、これからの100年の絆を紡いだに違いない。


宮崎滔天さんの曾孫・宮崎黄石さん(左)

 



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