和歌山県知事インタビュー(1/3)

青木麗子 Reiko Aoki

2012年12月10日 10:00


【インタビュー】 知 事 :仁坂 吉伸 / インタビュアー:青木 麗子

青木:
知事、本日はご多忙の中にお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

知事:
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

青木:
まず始めに知事のご経歴について少しお話くださいませんか?

知事:
私はもともと学者を目指して大学に入学したのですが、結果的に学者ではなく役人の道へ進むことを決め、大学卒業後、通産省に入省しました。広く世間を見ることができ、学者的、知識人的な興味も満たすことができると思ったからです。役人というのは実践力が必要です。人のために尽くして、貢献し、具体的に形を残して評価される世界ですから、認識だけでなく、行動する人でなくてはならないので、これを自分で実践したいと思いました。

青木:
中央官僚からなぜ地方の和歌山県の知事になろうと思われたのですか?その思いときっかけについて少しお話くださいませんか? 

知事:
前知事が汚職で逮捕され、そのことで大変心が痛みました。私としても何とかしたいという思いがきっかけの一つです。

青木:
知事になられて、この県をどのようにしていこう、または困難に直面した、それを乗り越えるためにどの様なことをされたのでしょうか?

知事:
前知事が逮捕されたので、逮捕者が出ないような県政にしなくてはいけません。実態をそのままにして逮捕者が出ないようにするのは無理な話で、実態を変える必要があります。汚職が発生しないようなメカニズムを作らないといけない。官製談合を追放するのも同じです。このことに一生懸命取り組みました。
また、和歌山の調子が自分の子供の頃と比べて悪いと感じました。それで、色々原因を調べたのですが、ここ30数年県民所得の伸び率が非常に悪いことがわかりました。この問題は、原因となっていることに対し、制度をもって改善していかないとうまくいきません。例えば、インフラ整備や県庁の政策重点の置き方、教育制度や教育目標の改正、福祉や財政再建など、解決すべき問題は多くあります。それらの問題に積極的に取り組んで来ました。
あとは国際社会で生き抜ける県でなければならない、と思っています。そのためには和歌山県自身がもっとスキルを持ち、その和歌山県のスキルと民間の活力で世界に打って出るような県でなければならないと思い、取り組んできました。





<次週に続く...>



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