
広州市に滞在している間、一日は端渓の硯で著名な街・肇慶に足を運んだ。端渓の硯と言えば、日本でも書道を愛する人なら、その名を聞いただけでも目の色が変わるほどの逸品だということを聞いたことがあるが、なぜそうなのか、肇慶に来てやっとわかった。肇慶には七星岩風景区という素晴らしい一大国定公園があるが、その風景区内には、いくつもの岩山が点在し、そこでとれる岩石が人の肌のように滑らかで硯にもっとも適しているというのだ。気温、湿度、正に天の恵みがもたらした素晴らしい石材。さすが硯の故郷。街に入ると硯工場や硯の売店が至る所に。せっかくなので肇慶で一番由緒あるのだという硯工場に立ち寄った。敷地に入ると大きなガジュマルの気の回りに硯を作る前の原石が山積みされている。その横に工房があったが、入ってみて驚いたことは、機械ではなく、すべて人工で研磨し手で彫刻していたことだ。端渓の硯、日本で買えば目玉が出るほどに高いが、制作しているところを見れば、納得した。工場の横にある直売店に入ってみると、硯、硯、硯、書道を愛する人々の憧れの逸品・端渓の硯がそこら中に溢れていた。
Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at
10:00
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