中国の今を知る、中国の未来を読む。

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2009年06月29日

中国江蘇省・新省長福岡に来たる Part 2

 16年の間に、江蘇省では替わった省長が6人。短い人では2年足らずで交代した。昨年の春、南京市党書記を務めていた羅志軍氏が江蘇省の省長に就任された。羅氏は中央から南京に赴任していたが、頭脳明晰で素晴らしいリーダーシップ力を持っている人格者としてよく知られている人物。この度、江蘇省観光プロモーション団を引き入れられて、福岡を訪れられた。足かけ2日間の訪問だったが、私は視察のアテンド役をさせていただいた。短い時間ではあったが、省長は福岡での視察を通してすっかり福岡のファンになってくださったようだ。大らかな風貌(身長も1,8mと大柄)、一見してとても穏やかな雰囲気をかも出しつつも、内面からは強い闘志と情熱が滲み溢れていた。その羅省長が麻生知事とは初対面だったにも関わらず、価値観、政治手腕、県政と省政に対する熱い思いなどなど、共通することが多く、すっかり意気投合されたようで、羅省長は随所随所で、これからは福岡との交流をより高いレベルに推し進めたいと力説。コミュニケーションの橋渡し役として、随行させていただいた私まで胸から熱いものがこみ上げてきた。いずれ、羅省長は再び中央に戻られるだろうけれど、将来、中国の中央リーダーの中に福岡のよき理解者がまた一人増えたと思っただけでも、嬉しくなった。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)福岡とアジア

2009年06月22日

中国江蘇省・新省長福岡に来たる Part 1

 福岡県と中国江蘇省が友好県省となったのが1992年の11月、今から17年前のことなのである。実は92年は日中国交正常化20周年の年だった。その頃、友好締結に向けて準備を進めていた福岡県が、せっかくなら、何かの節目の年に友好締結を実現させたいと考えていた。でも、日本とは違って、中国の省が外国の県と友好提携をするときには、中央政府の許可がなければならない。しかし、江蘇省はその時、既に10年前に愛知県と友好提携していた。中国の決まりによれば原則的には、一国一県の友好提携しか認められないことになっていた。例え認めてもらえるとしても審査にとてつもなく長い時間がかかるだろうと踏んでいた。何がいい方法はないものか。担当者が思案を巡らせていた4月に突如として、江沢民総書記が、東京を公式訪問し、地方都市は福岡を訪問するとのニュースが、天から降ってわいたように舞い込んだ。よし、江沢民総書記に直訴しよう。知事主催の晩餐会の知事挨拶にその内容が盛り込まれた。こちらの狙いが的中。知事の要望に江沢民さん答礼のあいさつの中で「福岡は経済が発達した県で、江蘇省は私のふるさとで、中国の中でも経済と文化が非常に発達した省だ。この二つの省県が友好提携することは素晴らしいことだ」と快諾。以後、異例のスピードで友好提携の話がどんどん進み、ついに、その年の11月に友好提携に漕ぎ着けることができた。以来、16年の歳月が流れた。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)福岡とアジア

2009年06月15日

南京!南京! 映画から見て取れる中国の変化 Part 2

 今までのこれまでの部類の映画だったら中国人や韓国人従軍慰安婦のことが主として表に出ていただけれど、しかし、今回の映画では中国人、韓国人慰安婦に交えて、同じように戦争の餌食にされている日本人従軍慰安婦の悲惨さもちゃんと描写している。こういう角度からとりあげるというこことは今までの中国の抗日戦争映画だったら考えられないことだった。だから、この映画を見られた中国の人々の頭の中が大混乱するだろう。まったく新しい視点なのだから。今までのその部類映画だったら、単純に日本兵は鬼畜で片付けられていたし、中国の人々にとって非常に分かりやすかった、気持ちの整理もしやすかったのだろう。けれど、今回は、一言では片付けられない。人々に深く考えさせられる内容なのだ。この映画が中国で上映されたということは、紛れもなく、中国が変わり始めているということが見て分かる。そして、この映画の上演を許可した中国当局にも敬意を表したい。

 今のところ、日本では「南京!南京!」の上映計画が立っていないという、私もどちらかと言えば前向きな映画が好きで、後ろ向きのようなこの種の映画はあまり好んで見ようとは思わない。しかし、今回は、せっかく勇気を振り絞って、自分の政治生命をかけてこの映画を作られた陸川監督のような人々の勇気の芽が摘んでしまうようなことだけはないようにしなければならいとそう願わずにはいられない。そして、このような映画を見て、賛否は真っ二つに分かれたけれど、見落としてはならないのては、わずかながらも、この映画を評価している中国国民がいるという点。この点を通して、中国が静かに変わり始めているということを見落としてはならないと思うのも私だけではないはずだ。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国

2009年06月08日

南京!南京! 映画から見て取れる中国の変化 Part 1

「南京!南京!」という映画が中国に激震を走らせていると聞いた。しかし「南京!南京!」というくらいなのだから、どうせいつもの映画なのだろうと思って、私は大して気にも留めなかった。ところが、ゴールデンウィークで中国から一時帰国した友人が「南京!南京!」のDVDをお土産にくれた。せっかくいただいたが、やはり見る気が進まなかったので、一ヶ月ほど、デスクの上に置いたままだった。だけれど、先週末に、見ないままで放置して置くのはせっかく買ってきてくれた友人に申し訳ないし、今中国で話題を呼んでいる作品を知って置かなければと気を取り直して、一人で暗い部屋で「南京!南京!」を見た。見終わった後に、とてもとても複雑な気持ちに駆られた。

 内容はタイトルの通り、いつもの1937年12月の旧日本軍による南京虐殺事件を中心とする悲惨な戦争映画だつた。しかし、今回の映画は明らかに今までのその部類の映画とは大きく違う。監督はまだ30代の陸川氏、陸監督は、今回の映画の中で、そうした戦争の残虐さを取り上げつつも、戦争とは何か、人間性と戦争、戦争の本質などなどなについて、大胆にも繊細に描き、人々に問題意識を投げかようとしたのではないか、映画を見終えて、そう思わずにはいられなかった。この映画に対して中国では、賛否が真っ二つに分かれたのだという。それもそうだろう。この映画では、一人の若い日本兵に焦点が絞られ、残虐な虐殺行為が繰り広げられる傍らで、若い日本兵・角川は苦悩する。そして中国の子供達に優しく接したり、苦悩に翻弄される末、捕虜となった中国人親子を逃がして、ピストル自殺を図ったところで、映画が終わる。

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国

2009年06月01日

景気刺激策・あの手この手

 少し前に、定額給付金が支給された旨の知らせが届いた。「やった、何を買おうかな、これは使わないと意味ないよね」と、子供たちは目を輝かして喜んだ。給付金がきたら臨時のお小遣いとしてあげると約束したからだ。
 しかし、子供が喜ぶ傍らで、私はなぜか複雑な気持ちがこみ上げてくる。
 なぜならば、私は、今回の世界規模的な経済危機に陥ったことは確かに深刻なことだと思う。


 だけれども、これはただ単なる経済危機だけではなく、ある意味において、我々人類に、これまでの過剰消費のライフスタイルの転換が求められているのではないのか、そんな気がしてならないからだ。
 
 地球は一つ、資源も限られている。ものをどんどん作って、どんどん使い捨てて、粗大ゴミを作るために身も心もぼろぼろになるまでに働いて、気がつけば、やっとの思いで足が地面にたっているようなぎりぎりの状態で、お金はたくさん持っているけれど、心は飢え荒廃していく、、、、。



 さてさて、先日、中国の景気対策はどのように取り組んでいるのか、福岡県議会の訪中団に随行して、江蘇省を訪問し、当局の担当者から江蘇省の途の組についてお話を伺った。
 
 今、中国では、各地域において、それぞれ競い合うように独自の景気刺激策がとられている。もちろん、日本のような定額給付金ではない。地方が独自性をもって取り組んでいる。それが故に地域差もあるようだ。
 
 社会主義国家なのに、不思議だと思うであろう。そう、実は中国は日本のような国からの交付金制度ではないので、基本的に省毎に財政が独立採算となっている。そのため、経済刺激策はそれぞれの独創性に委ねられている。ちなみに江蘇省では、様々な分野で商品券が支給されていることがわかった。
 たとえば、観光振興のための観光券は、江蘇省の省民のみならず、上海市民にも配っているらしい。もちろん、その観光券は、江蘇省内での使用に限定されているので、江蘇省の省民ではないけれど、しかし、観光券をもらった人は必ず江蘇省にきて、それ以上のお金を使ってくれることは、経済振興に繋がると考えているからだという。
  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本と中国