2012年04月02日
日本人初の中国プロサッカー監督就任の岡田武史さんと初対談-4

日本人で初めて中国プロサッカー監督に就任した岡田武史さんと初対談(4/6)
青木:
ところで、監督は生活などで不安や問題はありませんか?
岡田:
そうですね。まだ家とかじゃなくて寮に入っています。キャンプが続いていましたので。このキャンプを終えてから、市内の家に入って家内も一緒に連れていって生活を始めるのですが、そうなれば問題もなくなると思います。
青木:
杭州はガーデンシティを目指している都市なので、とても素晴らしい所ですよね。温暖な気候で、水と緑に恵まれた地域であるために、昔は上海の裕福な人々や文化人が杭州に好んで別荘を持っている地域でした。
岡田:
そうでしょう。それで、杭州緑城のオナー会社は杭州で別荘開発もしていますね。僕は今とにかく、チームで練習するのが楽しくてしょうがないです。
青木:
ところで、監督、今季にかける意気込みをお聞かせください。
岡田:
スーパーリーグで優勝させようと思っています。中国のスポーツメディアのインタビューを受けるとあなたはクレージーだと言われています。杭州緑城はお金のないチームですけど、広州、上海申花はお金をかけているわけです。
それで、中国の人たちはみんなそれだけ勝てないのではないかと決めつけているわけです。しかし、僕はイングランドのプレミアリーグや世界中のスーパースターが集まっているスペインのエスパニヨーラらで優勝すると言っているのではない。まずは、中国のスーパーリーグで優勝するんだと言っているだけだと、何を大変な事に思っているんだ。今、選手の意識も徐々に変わり始めました。最初から広州には勝てない、同じ人数で同じ中国人がやっているんだろうがと。だいぶんみんなの意識も変わって来ました。
青木:
そうですか。力をつける前に、選手達の意識改革が大事かもしれませんね。挑戦もしないで、最初からあそこには勝てない。そんな考えではどうにもなりませんね。今の中国の若者たちはみんなエリートなので挫折を味わっていないから、弱気なのですよ。未踏の山へチャレンジするという高い志を持って目指していかないと、山は登っていけませんよね。
岡田:
この間練習試合で前半0-1で、うちはBチームだったのですが、後半5点いられて6-0で負けたんですよ。力の差はそれほどないんです。後半1点入れられバラバラになって僕は知りませんという感じだったんですね。それで翌日僕がすごく怒って、「お前らのチームじゃないのか」お前たちは自分の力はあるのに周りはみんな知っているのに、自分の力を信じてないのはお前ら自身だと。力はあるのにそれに蓋をして俺たちはダメだダメだと思っているだけじゃないのか」と。
翌日、同じチームに同じメンバーで試合をさせたんですよ、そしたらすばらしい試合できるんですよ。自分の力を信じていないですね。素晴らしい才能をもって体も大きくて、技術もあるのに僕は大した選手じゃないと言っているんですよ。
僕らから言えばのどから手が出るほど欲しい才能を持っているのに本人が気づいていない。ここが今の問題でしょうね。
青木:
ご存知のように、中国では長年一人っ子政策を実施してきましたね。中国の子供たち20歳以下の子供たちはみんな一人っ子である意味では甘やかされて育てられてきたし、ある意味では大人の期待というプレッシャに押し潰されて自信が持てないでいるのですね。一人っ子で与えられるばかりで、ハングリー精神が殆どないと言っても過言ではないと思いますね。そこで、監督が彼らと信頼関係を作って、その上愛情を持って本気で体当たりで彼らとぶつかり合って行き、彼らに自信をもたらすことができたら、ものすごい力になってくるかも知れませんね。
日本の子供たちは、小さい時からサッカーをやってきて、先生や先輩からずっと厳しく育てられてきているので、精神力が強く、粘りも強いと思うのですが、今の中国の若い人達にはそこが足りないと思いますね。
ところで、今回のキャンプ何名来ているのですか?
岡田:
今は、けが人を入れて26名です。
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Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00│Comments(0)
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