2010年06月07日
中国・若者達が中小規模都市へ移動し始める
北京や上海などの大都市の大学を入り、卒業後は大都市で就職しシティーライフを送ることが中国の若者達の憧れだったし、それがいわゆる勝ち組の象徴でもあった。特に、戸籍を自由に移すことのできない農村出身の若者達にとって、それが農村から脱出する唯一の方法でもあったからだ。現に毎年の9月の入学シーズンになると、大学に合格した地方の若者達が、夢と希望を膨らませながら大きな荷物を背負って大都会へとやってくる。ところで、ここ1、2年の間で状況が変化し始めているようだ。都会に憧れ都会を終の棲家にしようと決めて来たはずの若者達が今、大学を卒業後、大都会に留まらずに、中小規模都市へと向かい始まっているようである。そうなった背景には、都会での就職が難しくなったことが主な理由だが、それとは別に、猛スピードで経済の発展を成し遂げている大都会は、弱肉強食の世界で、ストレス漬けだから、華やかなシティーライフを送るには普通のサラリーマンだけでもとても無理。その現実を知ってしまった若者達は、就職がしやすく、より人間らしい生活が送ることのできる中小規模都市へと向かい始めている。