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2012年12月24日

和歌山県知事インタビュー(3/3)




青木:
今日本は政治的にも経済的にも閉塞感で行き詰っていますが、中国の成長やについて知事はどのように見ていらっしゃいますか?

知事:
私は以前、通商政策局の審議官で中国担当しており、中国政府の貿易・産業部門とも仕事をしました。その頃、「中国は驚異かチャンスか」ということを日本の情報系大企業2社の専務にそれぞれお聞きしたところ、「中国企業の上にいる優秀な社員は非常に賢い。これはもの凄い驚異である。将来、その人達に自分達の会社の一番良いところを凌駕される恐れがある。自分たちが常に先を行き、中国が後をつけてくるというスタンスではなく、いつかは、立場が逆転するかもしれないという驚異を感じている」とのお話を聞きました。この現象はすでに中国内で表れています。日本企業もうかうかしていられません。日本企業が世界で企業活動を営むにあたり、その舵取りが非常に重要となる。舵取りが上手くいけば、中国13億人市場もターゲットになります。これはチャンスになります。

青木:
仰る通りだと思います。今日中関係が揺れていますが、知事はこの問題をどのように考えたらよいとお考えですか?

知事:
そうですね。日本も中国にはっきり言うべきことは言わなくてはいけないと思いますね。大国は全体の秩序を考えないと世界は壊れます。今や中国は経済発展を遂げ、世界中が注目する国家となりました。中国との関係なしには世界が成り立ちません。そうすると、中国には地球を守る責任が発生します。中国は大国としての義務や責任を負っていかなければならないのです。

青木:
本当にそうですね。大国には大国としての責任がありますね。中国も自分たちは発展途上国と未だに言っているのですが、もうそんな事はだれも思っておらず、中国は名実ともに大国として発展していますから。
ところで、知事、最後に中国の方々にメッセージをお願いします。

知事:
「和歌山いいとこ、一度はおいで」ですね。和歌山はすごくいいところです。中国の方々はきっと和歌山を気に入って頂けると思います。まず、和歌山には類をみないきれいな海、綺麗な緑が映える豊富な自然、たくさんの温泉があります。また、日本に影響を与えた中国文化が現存するところでもあります。例えば高野山。空海が中国の真言密教で一番偉い恵果に認められ、一番弟子となって帰国し開山した山です。当時、空海が持ち帰って来た中国の文化や伝統などが、今なお高野山にあります。きっと中国の方々にも、おもしろく感じて頂けると思います。また、和歌山での食べ物と買い物はおもしろいですよ。「和歌山いいとこ、一度はおいで」是非お越し頂きたいと思います。

青木:
本日はお忙しいところありがとうございました。








和歌山県
和歌山県(わかやまけん)は、日本近畿地方都道府県県庁所在地和歌山市。日本最大の半島である紀伊半島の西側に位置する。和歌山市を中心とする県北部は阪神工業地帯に属し、沿岸部には製鉄所石油製油所などの重化学工業が盛んである。




  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本

2012年12月17日

和歌山県知事インタビュー(2/3)




青木:
知事は、制度改革のことについて、国に対しても非常に積極的にものを申す知事としても注目を集めていますね。

知事:
まず、ここで誤解がないように説明しておきたいのですが、他の県知事は国と地方を対立軸として捉えていて、国は地方に負担を押し付けていると訴えています。しかし、私はそういう姿勢ではありません。自分は中央官僚で育ってきた人間ですから、国のスキルも理解しています。和歌山を良くするためには、和歌山県も頑張るし、国も頑張ってもらわなくてはならない。しかし、国の頑張り方が足りないと思います。あるいは、こういう事が出来るのにしない、または、やっていることが論理的でないなど国のやることがいつも正しいとは限りません。手段の選択として正しいとは限らないのです。そういうことが分かるので、今国がしているこのことは間違っていると言えます。地方分権とはなにかというと、根本的に地方にできることは地方に移してと世間で言われますが、私はそうではないと思っています。地方でやれるから地方でやるのではなく、国と地方のどちらでやるのが一番良いのかをと考えるべきです。そしてやるからには全部責任を持つ。お互いに責任の擦り付け合いをしていることも見られますが、これは間違っていると思います。一番大事な地方分権のテーマは「自己責任」だと私は思いますね。

青木:
ところで、知事、少し和歌山県の事について紹介していただけませんか?

知事:
和歌山県は関西圏にある地方の県ですが、関西の中での役割が決まっています。
まず、和歌山は製造業の下支えをしていて、装置産業や部品産業が盛んです。ヨーロッパでいうところの北イタリアみたいなところですね。また、近畿の中で心のふるさとです。遊ぶところだし、大阪や京都などで希薄になってきた自然がいっぱいある、温泉もあるし、海も青い、山は沢山あるし、行くと楽しい。また歴史的にも古く、昔から巡礼の行き先となっており、高野山や熊野古道が残っています。自然と信仰・魂のふるさとです。関西の下支えをしている産業を有し、観光地である。この2つの要素を兼ね備えた魅力ある県だと思いますね。

青木:
なるほど、ところで、現在どこの県も財政収入が乏しく、人口が減少し、若者が地方から出てゆく傾向にあるのですが、和歌山県は如何ですか?

知事:
これは、和歌山県でも大きな問題です。日本経済成長中に発展した産業がありますが、これがあまり和歌山に立地していない。相対的に働く場所が減ってきたのです。若者は外へ出て行くため、日本の中でも高齢化が進んでいる県でもあります。そのため、若い人たちが地元に留まって働きたいと思えるように、雇用を充実させるべく解決に向けて取り組んでいるところです。

青木:
若者達を地元に留まってもらうためには、やはりなによりも若者達を活かす場がなければなりませんね。雇用を創出するということは本当に重要な問題ですね。ところで和歌山県は今中国とはどんな交流をしていますか?

知事:
和歌山県は28年前から山東省と友好提携を結んでいます。よく友好県で形骸化する例もありますが、和歌山県と山東省との関係は強固で、昔から交流が盛んです。最近では山東省に対して貢献できることは何かを考え、環境交流を始めました。山東省は今経済成長が著しく、昔の高度成長期の日本のようです。和歌山県は昔公害に苦しんできた過去があり、その公害を克服してきた技術やノウハウがあります。それら克服する技術やノウハウを伝えるために、こちらから専門家を派遣したり、山東省からの大勢の研修生受け入れを実施しています。経済交流として、毎年山東省で商談会を開催し、和歌山の企業が参加しています。また、山東省は産業が盛んなので、和歌山の企業との提携なども視野にいれた交流を目指しています。最後は人的交流ですね、継続的に毎年1名を研修生として派遣し、中国に精通した職員の育成を行っています。






<次週に続く...>


  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本

2012年12月10日

和歌山県知事インタビュー(1/3)


【インタビュー】 知 事 :仁坂 吉伸 / インタビュアー:青木 麗子

青木:
知事、本日はご多忙の中にお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

知事:
こちらこそ、よろしくお願いいたします。

青木:
まず始めに知事のご経歴について少しお話くださいませんか?

知事:
私はもともと学者を目指して大学に入学したのですが、結果的に学者ではなく役人の道へ進むことを決め、大学卒業後、通産省に入省しました。広く世間を見ることができ、学者的、知識人的な興味も満たすことができると思ったからです。役人というのは実践力が必要です。人のために尽くして、貢献し、具体的に形を残して評価される世界ですから、認識だけでなく、行動する人でなくてはならないので、これを自分で実践したいと思いました。

青木:
中央官僚からなぜ地方の和歌山県の知事になろうと思われたのですか?その思いときっかけについて少しお話くださいませんか? 

知事:
前知事が汚職で逮捕され、そのことで大変心が痛みました。私としても何とかしたいという思いがきっかけの一つです。

青木:
知事になられて、この県をどのようにしていこう、または困難に直面した、それを乗り越えるためにどの様なことをされたのでしょうか?

知事:
前知事が逮捕されたので、逮捕者が出ないような県政にしなくてはいけません。実態をそのままにして逮捕者が出ないようにするのは無理な話で、実態を変える必要があります。汚職が発生しないようなメカニズムを作らないといけない。官製談合を追放するのも同じです。このことに一生懸命取り組みました。
また、和歌山の調子が自分の子供の頃と比べて悪いと感じました。それで、色々原因を調べたのですが、ここ30数年県民所得の伸び率が非常に悪いことがわかりました。この問題は、原因となっていることに対し、制度をもって改善していかないとうまくいきません。例えば、インフラ整備や県庁の政策重点の置き方、教育制度や教育目標の改正、福祉や財政再建など、解決すべき問題は多くあります。それらの問題に積極的に取り組んで来ました。
あとは国際社会で生き抜ける県でなければならない、と思っています。そのためには和歌山県自身がもっとスキルを持ち、その和歌山県のスキルと民間の活力で世界に打って出るような県でなければならないと思い、取り組んできました。





<次週に続く...>


  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本

2012年12月03日

三重県知事インタビュー(3/3)


青木:
本当にすごいことですね。
それで、今知事になられて2年目とのことですが、日本国内はじめ海外に向けてもトップセールスマンとして
三重県のPRをして知名度を上げて取り組んでいらっしゃるとのことですね。中国のマーケットも視野に入れられていますか?

知事:
もちろんです。特に中国との関係は重視しておりまして、我々は河南省と友好提携させていただいており、去年25周年を迎えました。私も去年河南省を訪問させていただきました。三重県は四日市公害を乗り越えた経験もありますし、これまでは環境規制の人材の交流や河南省も三重県と同じく農業が盛んなので、農業での交流にとどまっていたのですが、最近は開封市に三重県の「太陽化学」や「住友電装」という会社が進出したりしていますので、経済の交流や中原経済開発区ということで中国政府からも力を入れてもらっていると聞きますし、あと観光の交流協定を私がはじめて結びました。それまで三重県は世界中のどの地域とも交流協定は結んでおらず、去年私が行って初めて河南省と結ばさせていただきました。その中には直行便の就航をいれました。今までは鄭州空港から大連経由でトランスファーしなければいけなかったのですが、今後は鄭州空港から上海経由でトランジットして関空まで飛ぶようになりました。7月から東方航空から就航します。今後は鄭州空港からセントレア間の就航が一番の目標です。5月にも河南省の方々が来日し、三重県内のショッピングモールで河南省のPRを兼ねた少林寺拳法のパフォーマンスをしていただきました。

青木:
河南省は悠久なる歴史を持っている地域です。経済的には沿岸地域と比べればまだまだ
これからなのですが、しかし、豊かな歴史と文化を持っている地域として発展のポテンシャルは
大きいと思います。鄭州の発展は目覚ましいですね。都市整備が急速に進んで、本当に奇麗に変わりました。
ここ数年で大きく変わりましたね。
今までは本当にかなり遅れていると思いましたが、しかし、去年鄭州に行ってみたら、その変わりように驚きましたね。

知事:
その通りですね。あとは上海も観光の関係で現地の会社や「日本の窓」などを通してPRさせていただいたり、7月から三重県として三重県の企業が海外に展開、進出していくサポートセンターを上海に開設することになりました。今36の都道府県が海外事務所、海外拠点を設けていますが、そのうち6か所は民間に業務委託しています。うちもそうです。うちは上海の拠点とさらに三重県内にも専用の職員を配置し、海外向けのサポートをしています。最近の大きな出来事といえば5月末に北京でサービス業に関する展示会をはじめて中国で開催しました。初日は温家宝さんにも来ていただき、都道府県では三重県が唯一出店させていただいて、そのときは忍者のパフォーマンスをしたり、海女さんのパフォーマンスをしたりと現地の方にも喜んでいただき、いくつか商談も成立しました。あとは上海にもグルナビの会社があるのですが、そこに委託をして「微博」などを通じて三重県の情報発信をお手伝いいただいています。中国に対する情報発信は極めて力をいれているところです。中国のような巨大なマーケットにも三重県に振り向いてもらえるようにしていきたいと思っています。県内の基礎自治体、例えば四日市と天津、松阪が無錫と友好提携をそれぞれ結んでいます。

青木:
中国との交流は盛んに推し進められているのですね。ところで今中国は御存じの通り、数字では日本を追い越して世界第2位の経済大国になりました。これから益々発展していく事と思いますが、反対に日本は縮小気味で日本国民が自信喪失なりつつあります。中国の発展と今の日本の状況を知事はどのようにご覧になっていますか?

知事:
中国の発展についてですが、一部マスコミでは中国の経済成長は止まってきている。市場として魅力がないのではないかと言われていますが、私は全くそのように思いません。現地に行って躍動感を感じますし、私は現場主義を徹底していますので、三重県の中小企業さんが中国で展開しているビジネスの中でも生の声を聞いていますので、全然成長が止まって魅力がなくなるとは全く感じず、今後仮に成長が止まりそうになっても違う方案を考えて、ハングリーに昇竜のようにのし上がっていく国だと思っていますので、ますます緊密に進めていきたいと思っています。三重県の食文化もビジネスも含めいろんな形で三重県をPRして、多くの中国の方々が三重県に
来ていただくような努力をしないといけないと思っています。一方で日本人、三重県もそうですが青木さんがおっしゃるように自信を失っている部分があると思います。なので、大きなマーケットである中国でスモールサクセスでもいいので成功を感じて、自分たちもやればできるという成功を積み重ねていけるサポートを行政でも全面的にしていきたいと思っています。

青木:
知事のリーダーシップの下に、三重県と中国との交流がますます盛んになって行く事を期待しています。
また、知事はまだまだお若い、政治家として今後30年、40年とご活躍できる立場にあられます、是非、日本の為にも頑張っていただきたいと思います。本日は、ありがとうございました。






 

  


Posted by 青木麗子 Reiko Aoki at 10:00Comments(0)日本